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日刊サイゾー トップ > カルチャー > 本・マンガ  > 小説投稿サイト、戦国時代の始まり?

講談社も小説投稿サイトに参入……これは、戦国時代の始まりか?

「NOVEL DAYS」より

 小説投稿サイトの新たな時代が始まるのか。

 講談社が、未来創造の「トークメーカー」を引き継ぎ、小説投稿サイト「NOVEL DAYS」を公開した。

「トークメーカー」は、通常の小説だけでなくキャラクター同士が会話する形式を取る「チャットノベル」や、複数の人で執筆を行うことができる「コラボノベル」など独特の創作サービスを展開してきたサイトだ。

 いまや小説投稿サイトは、ライトノベルを扱う出版社にとってはなくてはならない存在。「小説家になろう」を筆頭に、いくつものサイトを巡回して新人を探すのが、編集者にとっての重要な仕事になっている側面もある。

 投稿する側にしてみれば、単に趣味として書いている以上に「もしかしたら、出版社から声をかけてもらえるかもしれない」という夢を持てる場でもある。

 そんな小説投稿サイトだが、現状は乱立ともいえる。KADOKAWA系の「カクヨム」はあるし「エブリスタ」、そして「pixiv」でも小説を投稿している人は多い。

 つまり「いずれは出版社から声がかかるのではないか」というプロ志向の人にとっては、「いったい、どこに投稿すればよいのか」迷ってしまう状態である。そこにさらに大手が参入するわけだから、混迷は深まったといえるだろう。

 では、常に新人を求めている出版社の側は、小説投稿サイトをどのように見ているのか。ある中堅出版社の編集者は語る。

「質の高い作品やランキングの上位にある投稿作品は、最初から読んでいません。なぜなら、そういう作品はKADOKAWA系とか大手が持っていってしまうからです。読むときに注意しているポイントはいくつかありますが、手直し……場合によっては編集者が書き直せば商品になりそうな作品。それに、ネタ切れせずに書けそうな引き出しの多い作家であるかどうかですね」

 つまり、人生のすべてを費やして書いた入魂の一作をアップして「どうだ!」と思っている投稿者よりも、コンスタントに作品を更新している投稿者のほうが、声をかけやすいということの様子。

「なので、投稿サイトが増えることはいいことだと思っています。それだけ、敷居が下がって、今はダメだけど鍛えればモノになる作家に出会う機会も増えるわけですから」(同)

 果たして「なろう」に次ぐ、小説投稿サイトの覇権はどこが握るのか?
(文=是枝了以)

最終更新:2018/09/06 23:00
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