『健康で文化的な最低限度の生活』「飲んで死ぬか、飲まずに生きるか」テーマが重すぎて、視聴者離れ必至?
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えっと、感想ですが、一言でいうと重すぎです。テーマが。生活保護を扱うドラマなだけに、これまでも決して明るい展開ではなかったですが、今回は輪をかけて暗い。小汚いおっさん(赤嶺)が汚部屋で飲んだくれたり、暴れ回る姿を延々と見せられるのは、正直しんどかったです。
しかも結局、依存症からの回復を気長に見守りましょう、というフワッとした終わり方。これは今回に限らないのですが、このドラマ、社会派路線なのか、えみるの成長を描きたいのか、イマイチわからない。どっちつかずのまま進んできたため、印象に残る回がまったくといっていいほど無いんですよね。
唯一、えみるの同僚の栗橋千奈(川栄李奈)がメインとなった前回だけは、識字障害を患う生活保護受給者・中林吉徳(池田鉄洋)の苦悩と、頭脳明晰ながら感情表現が苦手な栗橋の成長をバランスよく描けていたかなぁ、と思うぐらいです。
それに比べ今回のえみるは(というより毎回)、常に困り顔を浮かべながら、生活保護受給者のトラブルに翻弄されっぱなし。で、最後の最後にたいして説得力のないセリフで言いくるめ、受給者がなぜか改心するというお決まりのパターンが出来上がってしまっています。
ご都合主義な展開でえみるを甘やかしたため、ケースワーカーとして2年目に突入したというのに、何ら成長の度合いが見えません。第1話での、最初に担当した受給者が自殺してしまうという、仕事を続けていく上でトラウマになったであろうエピソードも、その後の展開で活かせていません。主人公の内面の葛藤を上手に描けていないため、ドラマ全体が薄っぺらくなってしまった印象です。
視聴率的にはもはや大幅アップは望めそうにありませんが、残り2話でどんな着地をするのか。最後までしっかり見届けたいと思います。
(文=大羽鴨乃)
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