フジテレビ月9『絶対零度』ガバガバ設定と説明不足を補う沢村一樹の“独り勝ち”芝居
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今期の月9『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)も、残すところあと2回。3日に放送された第9話の視聴率は11.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前回より1.3ポイントアップ。終盤に来て一気に上げてきました。上戸彩にちょびっとしかスケジュールをもらえず、沢村一樹を主役に据えた月9としては、大健闘でしょう。
というわけで、振り返りです。
(前回までのレビューはこちらから)
■佳境なのに説明が雑……。
今回は、いきなりアクションシーンから。山内くん(横山裕)、小田切ちゃん(本田翼)が悪漢相手に暴れ回り、最後は小田切ちゃんのトレードマークとなっている股間へのカカト落としでフィニッシュ! どうやら、巨大AI「未然犯罪捜査システム(通称“ミハン”)」は着実に効果を上げ、未然犯罪を続々と防いでいるようです。これまで、警視庁内でも一部しか知らないシークレット案件だったミハンですが、法制化に向けて動き出しました。ミハンの生みの親である東堂さん(伊藤淳史)も「プライバシーと引き換えに安全が保障される時代が来ます」などと胸を張ります。このドラマの世界には、憲法が定めた「通信の秘密」とか、あんまり関係ないようです。
さてさて、そんなミハンが今回弾き出した“危険人物”は、警視庁警護課のエース・石塚(高橋努)。チーム一同はミハンによる防犯カメラの映像を追いますが、そこにはベトナムで死んだはずの桜木泉(上戸彩)が映り込んでいます。どうやら、桜木は桜木で石塚を追っているようです。
桜木については、初回から「死んだ死んだ」と繰り返し説明されてきましたが、おそらく視聴者の誰もが「どうせ死んでない」と思っていたはずです。作り手側も、そんな視聴者の「どうせ死んでないだろう」という認識は織り込み済みだったのでしょう。必要以上に「あれは桜木さんなんじゃ!?」「え、死んだはずじゃ!?」みたいな逡巡シーンもなく、あっさりと「桜木は生きている」前提で話を進めます。
で、なんやかんやで、どうやらSP石塚は国家公安委員長の命を狙っているらしいことが判明します。殉職した親友の嫁と娘が拉致されて、「委員長を殺せ」と脅されているとか。このあたり、設定がガバガバな上に、例によって説明が省略されているので石塚の心の動きがわかりにくいのですが、とにかく一件落着しました。
事件解決の過程で、いろんなことが明らかになります。なんか急に出てきた旅行代理店の人が悪者で、要人の渡航情報を悪い人に流していて、その渡航情報を元に海外の悪者が要人やその家族を誘拐する“誘拐ビジネス”が盛んに行われていて、どうやら桜木はその黒幕を追っていてベトナムで死んだことになっていて、過去に井沢の家族が殺されたのも、なんかそれに関係があって……みたいなことが、急に説明されました。
おそらくこのへんがドラマ全体のバックボーンになる巨大な陰謀みたいなことだと思うんですが、ホントに急にセリフだけで説明されたので、びっくりしちゃった。構図そのものはあんまりよく理解できなかったんですが、たぶん突き詰めて理解しようとすると粗が見えてきそうな気がするので、なんとなくぼんやり憶えておくくらいがいいのかな、と思います。次回の最終回も、がっつり謎解きするという感じにはならなそうです。
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