恋は禁止されるほどに燃え上がるもの――ドラマ『チア☆ダン』第7話
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(前回までのレビューはこちらから)
最近は、アイドルの出演する恋愛映画がブームだ。それも、兄に愛されすぎて困っていたり、女子高生が警察官と恋に落ちたりと、少々トリッキーな設定のものが多く作られる傾向にある。もちろんそれらの作品も、その設定も含めて楽しめるのだが、時にはもっとオーソドックスな恋愛ものを見たくなることもある。
ドラマ『チア☆ダン』(TBS系)第7話で描かれたのは、実に古風で、王道といっていいような恋愛エピソードだった。
前回放送から季節は変わり、春になった。わかば(土屋太鳳)たちは3年生になり、チアダンス部「ROCKETS」は、わかばの姉あおい(新木優子)の指導の下、着実に実力をつけていた。
事故で怪我を負った顧問の漆戸(オダギリジョー)は、未だ入院中。それでも、メンバーと「夢ノート」でのやり取りを通し、指導を続けているのだった。
ROCKETSが今目標にしているのは、「北信越チャレンジカップ」という大会。ここにはライバルの福井中央高校・JETSは出場しない。全米制覇を目指すのであれば、絶対に優勝しなければならない関門だ。
そんな戦いを前に、顧問代理である教頭(木下ほうか)は、メンバーに「恋愛禁止」のルールを課す。望(堀田真由)をはじめとした彼氏がいるメンバーは納得いかない様子だが、学級委員長でもある麻子(佐久間由衣)は、「そういうのには興味ない」と意に介さない。
何かを成し遂げるための恋愛禁止は、近年、アイドル界を中心に議論がされている。
「何かに集中するなら恋愛している暇などない」という意見と、「人を好きになる気持ちは止められない」という意見。どちらも正論だろう。禁止されればされるほど、より恋が燃え上がるという気持ちもわかる。
ただ、それは例えば、モデルが体型を維持するために食事制限をするとか、受験生が寝る間を惜しんで勉強をするといったことと同じだと思う。「食欲」や「睡眠欲」も、「恋愛欲」と同じように、人間が元々持っている根源的な欲求だ。だから、それを我慢していい結果につながるのであれば、その制限は有効なものなのだ。
おそらく、麻子も同じような気持ちであったのではないかと思う。そんな彼女に事件が起きる。練習の帰り道、2年の水嶋(遠藤健慎)からラブレターを渡されたのだ。
この「ラブレター」というアイテムがいい。メールやLINE全盛の中で、自分で文字を書き、それを直接渡すという行為が、最初に書いた「オーソドックスな恋愛」には欠かせないのだ。
そして、わかばと幼馴染み・春馬(清水尋也)の関係もいい感じだ。恋愛感情とまではいかないものの、彼を励ますためにお守りを渡したりする姿が微笑ましい。春馬にアタックする汐里(石井杏奈)との関係も、季節が変わった今も変わらない様子。このあたりも、往年の恋愛ドラマで欠かせないシチュエーションだろう。
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