中国人投資家がメキシコのラジオ局を買収 米カリフォルニア州住民60万人に“プロパガンダ放送”か
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一党独裁の下、言論統制が敷かれる中国だが、同国のメディアコントロールは国内だけにとどまらない。近年、各国メディアには多額のチャイナマネーが流入しており、中国によるプロパガンダに利用される危険性が指摘されている。今年、米ロサンゼルス・タイムズ紙やサンディエゴ・ユニオン・トリビューン紙が中国系の投資家に買収されたが、その背後にも中国政府の存在があることが指摘されている。
そんな中、中国系投資会社、H&Hキャピタルパートナーズによるメキシコのラジオ局買収事案にも疑惑の目が向けられている。
同社が買収したXEWWAM 690は、アメリカとの国境の街、ティファナを拠点にするラジオ局だが、ロサンゼルス郊外にも支局を持ち、南カリフォルニアとアメリカ南西部に約60万人の聴取者を抱えている。そんなラジオ局を買収する真の目的は、アメリカでの世論操作にあるのではないかとの懸念が持ち上がっているのだ。
H&Hキャピタルパートナーズはニューヨークを拠点に、中国系米国人女性、ヴィヴィアン・フー氏が率いる投資会社だが、中国とは切っても切れない関係にある。
例えば同社はカリフォルニア州アーウィンデールのオフィスを、香港の中国政府寄りである放送局、フェニックス TVと共有している。さらに、同社のシニアアドバイザーには、中国テレビ局の著名総合司会者が名を連ねているのだ。
ちなみにフェニックス TVは、2013年にやはり南カリフォルニアの別のラジオ局の買収を進めていたが、中国による米国内での世論操作の危険性があることを懸念する米当局が阻止している。
一度は買収に失敗したフェニックスTVが、投資会社を隠れみのにラジオ局を手中に収めた――というわけなのだろうか。前出のフー代表は、「この買収は完全に当社が単独で行ったもの」として、フェニックス TVの関与を否定しているが、カリフォルニアの地で、中国の国歌「義勇軍行進曲」が毎朝鳴り響くようになる時も近いのかもしれない……。
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