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週刊誌スクープ大賞

長島三奈が甲子園にいない、松井秀喜がアメリカに帰らない……長嶋茂雄の容態をめぐる点と線

 中野信子の『不倫』(文春新書)が話題である。なぜ人間は不倫を我慢できないのか。ポストで、神経内科の米山公啓医師がこう語る。

「誰かを好きになると、“恋愛ホルモン”と呼ばれるPEA(フェニルエチルアミン)という脳内ホルモンの濃度が一気に上がります。
しかし、脳はずっと刺激があるよりも“同じ状態を保ちたい”という恒常性を求めるので、PEAは次第に枯渇していく。
“飽き”とか“慣れ”という現象が起こるのはこのためで、結婚3~4年目ほどから見られます。これは脳のメカニズム上、仕方のないことなのです」

 この「飽き」の状態の人間を不倫に走らせるのが「不倫遺伝子」の存在だそうだ。

 15年3月、オーストラリア・クイーンズランド大学のブレンダン・ジーシュ教授らが発表した論文によれば、過去1年以内に不倫(特定のパートナー以外とのセックス)した男女は、脳内ホルモンの「アルギニンバソプレシン」を受容する遺伝子「AVPR1A」の変異体を持っている割合が顕著に高かった。

 AVPR1Aの塩素配列は動物を一匹の異性と愛情を育む貞淑型か複数の異性と関係を持つ乱婚型に分けることが分かっており、不倫した人間が持つこの遺伝子の変異体こそが、人間を乱婚型にせしめていることが同調査で判明したというのだ。

 脳科学者の中野信子氏の近著『不倫』によれば、AVPR1Aの変異体は全人類の半数が持っており、2人に1人は生まれながらに“不倫の資質”を持っていることになるという。

 脳内ホルモンによる「飽き」と乱婚型遺伝子により、人間は不倫をやめられない生き物であることが示されたといえる。

 多くの人類が一夫一婦制を築いたのは近代のことで、少数民族など一夫多妻制を敷く人々もいる。

 そうか、不倫は遺伝子なんだ。といっても、それが分かったところでどうなるというものではない。

 遺伝子が呼んでいるからだと相手を口説いても、納得してくれる女性はいないだろうな。

 サマータイムという名曲がある。ビリー・ホリディのがよかったな。

 それとは全然関係ないが、安倍首相が突然、秋の国会で「サマータイム」を導入しようといい出した。

 夏の間の4月から9月まで、1時間早めるというのだが、誰もそんなこと賛成していないのにどうして? 東京五輪のマラソンを涼しい朝のうちにやるためだというが、この男、いつでも思い付きで物事を決める。

 それに真っ向から反対を唱えたのがポストである。

 国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部長の三島和夫氏がこう解説する。

「人間の体内時計は、睡眠リズムを『後に動かす』のは簡単にできても、『前に動かす』のは難しいという特徴があります。
そのため夏時間に入って強制的に早起きさせられても、その分、簡単には早寝することができず、睡眠不足に陥りやすい。ただでさえ、日本人の平均睡眠時間は、8時間超を確保しているOECD諸国に比べて1時間も短い。ここからさらに2時間の前倒しで睡眠時間が削られれば、深刻な健康被害のリスクが高まる」

 知の巨人である外山滋比古氏もこう嘆く。

「70年前、政府がサマータイムを導入したことで大きな混乱が起きました。あの時、地理的な条件や文化の違いを考慮せず、欧米の制度を無批判に取り入れることの危うさに国民は気づいたのです。
だからこそ政府も4年で取り下げた。ただ、その頃に一人前の大人として仕事をしていた人は、現在では90歳を超えていますから、今回の政府の方針が誤りと分かっていても、表立って強い反対の声を上げる元気がないのではないか。だからといって、欧州を真似するだけの議論を持ち出してくるのは、あまりにも幼稚であり、国民を馬鹿にした考えですよ」

 その通り。第一、大スポンサーであるアメリカが、時間変更を許さないだろう。彼らは、ゴールデンタイムに競技のクライマックスを持ってくることで視聴率を稼ごうとしている。

 これは日米地位協定変更より難しいと思う。

 さて、今年で最後になる終戦記念日の天皇陛下の「お言葉」には、「戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致し」という一節が加えられた。

 日本の明治以降の歴史の中でも、特筆されるべき長い平和は、私と国民が成し遂げた最高のものだという感慨と、達成感、次世代へこれを託すという思いが込められていると、私は思っている。

 また、それとは真逆に、戦争をできる国に戻して戦争の一つでもやってみたいと考えているであろう、安倍首相に対する痛烈な批判になっている。

 ポストで書籍情報社の矢部宏治氏が、こう話している。

「矢部 亡くなられた翁長雄志・県知事は、『憲法の上に日米地位協定がある』『国会の上に日米合同委員会がある』と明言していましたが、米軍と外務省が憲法を無視して何でも決めてしまえる法的構造が現実に存在する。
保守派にもおかしいと気づきはじめた人が多い。安倍首相は『戦後レジーム』を目の敵にしてきたけれど、『軍事主権の放棄』を法的に確定させたのは、実は祖父の岸首相が安保改定時に結んだ密約なわけです。
しかしすでに冷戦は終わり、朝鮮戦争の終結宣言が出ることも確実です。歪んだ米軍支配体制は早晩、崩壊に向かうと思います」

 私もそう思うが、どういう形で崩れるのかが見えない。米朝会談で朝鮮戦争が終結し、米朝関係が正常化すれば、もはや沖縄海兵隊は御用納めであろう。

 米国内からも、引き上げて来いという声が上がること間違いない。

 その第一歩を、今度の沖縄県知事補選にしてもらいたいと思うのだが。

 先週、女性セブンが長嶋茂雄の入院をスクープした。

 女性セブンによれば、脳梗塞の再発ではなく、高熱と我慢できないほどの腹痛で入院したそうだ。肝臓の近くの「胆のう」の調子が悪く、これ以上悪化すれば命の危険があるというのである。

 東京大学医科学研究所付属病院の釣田義一郎医師は、

「胆管に結石が詰まると、まずは腹痛や背中痛、発熱などの症状を起こします。さらに、胆汁が腸のほうに流れなくなるので、肝臓にたまってしまいます。肝臓にたまった胆汁の有害な成分の一部が血液に入るため、脳や心臓といった臓器に悪影響を及ぼします。(中略)
 もし10日以上、集中治療を施しても、なかなか黄疸の症状が抑えられなければ、肝臓がかなり弱っている『肝不全』を起こしている可能性もあり、命にかかわる状況といえるでしょう」

 容態についてはかん口令が敷かれ、情報はごく一部の人間しか知らないそうである。

 今週ポストはそれを受けて報じているが、新しい情報はない。

 女性セブンが出る前日に、読売が長嶋のコメントを発表したことへの違和感。

 娘の三奈は『熱闘甲子園』に出場はしたが、甲子園で三奈を見かけた人はいない。

 松井秀喜が甲子園で始球式をしたが、いつもならすぐに妻子のいるアメリカに帰るのに、日本に滞在し続けている。

 などなど、長嶋の容態が安心できるものではないという状況証拠は山ほどある。

 私も、心配でならない。長嶋がいなくなることは昭和が本当に終わるということである。

 それはポストがいっているような、松井が巨人の監督になって補えるものではない。

 その日が来るのが、私は心底怖い。来なければいいと思う。

 だが、誰にもその日は訪れる。長嶋にもその日が来る。それは分かっているのだが、一日でも後にしてほしい。

 私がこの欄で、長嶋の追悼文を書くのだけはよしてほしいと思っているのだが。

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