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ホントにうまいのか? 珍級グルメハンター第92回

インスタ映えするグルメをグチャグチャに混ぜると美味しい説『葛西 まぜそば』

 水餃子の余韻を楽しみつつ、「踊るマハラジャまぜそばの食べ方」と書かれた指南書を読んでいると、まもなく目の前にマハラジャが着丼しました。

「ナンジャコリャ!?」

 真上から見ると確かにそんな印象。しかして、横から見ると……、

 こうなって、

 こう!!

 どーよ、マハラジャ!!

 中央にそびえしトンガリ山は、キンタマーニ高原かと思ったら、キンタマーニはインドネシアの方でした(笑)。その山の周りを水菜が取り囲み、内側にはケチャップの小川が。

「真ん中のはシーチキンに見えますけど、100%チャーシューです。よーく混ぜて食べた後、追い飯すると美味しいので、ぜひやってみてくださいね」

 お色気も愛想も抜群のマダムに丁寧に教えられ、いざ実食!

 せっかくの造形美を壊すのは忍びないが、やむを得ない。トンガリ山を左手で持ったスプーンで崩し、右手に掲げた箸で麺を持ち上げては、右から左へ、左から右へ。一回持ち上げてから真っ逆さまに落とし、下から上へ。縦横無尽に麺と具を混ぜ込むと、さっき目の前にあった奇妙な丼は、単なる薄茶色の麺とひき肉と葉っぱの塊になってしまうのでした。

「嗚呼、なんたることか、せっかくの造形美が……」

 嘆いても仕方ありませんので、その薄茶色の麺をひとすすりすると……。

 なんということでしょう、タレの甘みとひき肉のコク、麺、そしてケチャップの酸味が見事に一体となり、キンタマーニ高原より爽快な麺料理に化けていたのでした。

 まぜそばはあまり好きでない筆者でも、これはアリ! リピート必須でしょう。

 そして4分の1ほど麺を残して追い飯をお願いすると、丼の中にオタマ一杯分の白飯を。残ったまぜめんと、再び混ぜ合わせると、これまた美味しいまぜめし麺と化けるのでした。

 しかも、ここまで楽しんで、料金は驚きの740円と超下町価格! 水餃子を合わせても、都心のカフェで食べる1杯のかき氷より安いじゃないですか! これこそ、「伝説の誕生」にちがいない!(笑)。

「踊るマハラジャまぜそば」めちゃうもうございました。

葛西 麺屋永吉 花鳥風月 「踊るマハラジャまぜそば」740円

SNS映え  ☆☆☆!
味     ☆☆☆
珍級度   ☆☆☆

(写真・文=よしよし)

最終更新:2019/11/28 19:02
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