『グッド・ドクター』山崎賢人“イケメン先生”として人気獲得も、小児外科存続の危機に……
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さて感想。これまでは、小児外科医における湊の立ち位置、自閉症を患う人間が医局に馴染めるのか? という視点から構成されたストーリーが主でした。しかし前回、湊のことを一番に懐疑的に見ていた高山からの信頼を勝ち得たことで、今回は湊が医師になるための成長を純粋に描く回となったようです。
序盤シーンでは、当直医を任されるようになり、患者からは“イケメン先生”として人気者になるなど、今まで以上にハツラツとした表情を見せていた湊ですが、航の登場で一変。幼少期に兄と一緒に事故に遭い、自分だけが助かった負い目に対し、「僕の方が天国に行くべきでした」と口にするほど苦しみます。
そしてそこから復活するわけですが、自閉症という、ただでさえ難しい役どころに、精神的なアップダウンの激しさも加わったハイレベルな演技を、山崎がごく自然に披露していました。毎回のように書いていますが、今作での山崎の演技は文句なし。この当たり役を掴んだことによって今後、若手俳優の中で頭ひとつ抜きんでた存在になっていくことでしょう。
また、湊を支える夏美役の上野の好演も際立っています。特に今回、湊が医師の道を断念する一歩手前まで落ち込んだところを励ます姿には、どこか母性すら感じました。これが、事務所のゴリ押しではなく、真の実力で役を勝ち取れる女優の演技力なんだなぁ、と感心しました。
さて、そんなこんなで、湊が小児外科医になるための動機を再確認し、さあこれから、というところですが、次なる暗雲が。資金繰りに苦しむことから、東郷記念病院の理事長・東郷美智(中村ゆり)が、副院長・猪口隆之介(板尾創路)の提案を受け入れ、別病院との業務提携を受け入れてしまったんですね。
で、この猪口は、採算の悪い小児外科を切り捨てたがっている。というわけで、湊のモチベーションが上がったところで、職場がなくなってしまう危機が到来。おまけに、湊の最大の理解者である司賀が、ステージ4の胃がんを患い、肺にまで転移してしまっている状況とあって、この先も茨の道が待っているようです。
でもまぁ、波乱万丈の方がドラマは盛り上がり、湊の成長にもつながるわけですから、次からの展開にも目が離せません。
(文=大羽鴨乃)
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