それぞれのヲタクの“幸せ”のかたち――ドラマ『婚外恋愛に似たもの』最終話
#アイドル #ドラマ #プレヤード #アイドル深夜徘徊 #婚外恋愛に似たもの
雅が社長になって数カ月後、スノホワの単独ライブの日がやってきた。楽屋でスタッフとしてメンバーを送り出すドルヲタ5人、彼らがステージに向かうと、ヲタクの顔に戻って、喜びにむせぶのだった。
雅の元へは、父親から電話があり、ディセンバーズの経営再建を褒められる。昌子の息子は、事務所のスクールに入ることになった。真弓は、新人文学賞を受賞し、再び作家へのスタートラインに立つ。すべてが幸せな方向に動き出した。
半年が経ち、真弓は作家として、真美はそのマネジャーとしてディセンバーズ事務所と関わることになる。昌子は引き続き雅のマネジャーとなり、忙しい日々を送っていた。そしてこの物語の主役でもある美佐代はというと、経営には一切かかわらず、相変わらずいちファンとして、スノホワを応援していた。
「結局、あの人が一番優雅だよね」
4人は美佐代のことをどこか羨ましくも感じるのだった。
今回のエンディングは、原作にはないもので、ドラマのオリジナルだという。この、最後にいろいろな問題が収束していく流れは、見ていて実に気持ちがいい。良質の推理ドラマで、犯人が明らかになっていくような高まりを感じる。多少できすぎなくらいのほうが、ドラマとしては楽しめるのだ。
こうして、それぞれの方向で、ヲタクを極めた5人、スタッフ側に回った人も、ただのファンでい続けた人も、どちらも幸せそうだ。
多分、どちらがいいかなどという正解は無いのだ。ただ一つ言えることは、アイドル自身は、スタッフにもファンにも、同じような感謝の気持ちを持ち、日々頑張っているということだ。どちらとの距離が近いということはない。それぞれにそれぞれの関係性を持って、アイドルと接していけばいいだけのことなのだ。
少しだけアイドルに近いところに行ったヲタクから言わせてもらえば、私がお仕事させていただいたアイドルさんは、皆、とても可愛くていい方ばかりだった。それは、何より幸せなことだなと感じている。
こうして幕を閉じたドルヲタの物語。あるあると共感したり、我が身を見るようで苦笑したりと楽しませてもらった。この世界にアイドルというものが存在する限り、ヲタクの苦悩と幸福の物語はまだまだ生まれるのである。
すべてのアイドルとファンに幸多からんことを!
(文=プレヤード)
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