『パトレイバー』から『シティーハンター』まで……往年の名作のリバイバルが相次ぐ事情
#アニメ #マンガ #究極超人あ~る
往年の名作マンガ・アニメの再起動が、次々と始まっている。かつて作品を愛した世代も、新たに作品を知った世代も、どちらも楽しめる作品力の強さは、コンテンツホルダーにとっても魅力的なのか。
去る8月10日、今年30周年を迎えた『機動警察パトレイバー』が「パトレイバーの日」を祝った。「パ(8)ト(10)」の語呂合わせにちなむ記念日に併せて新作『パトレイバーEZY』のプロジェクトが本格始動したことも発表され、ファンの間で大いに話題になっている。同作のコミックとOVAが始まったのは1988年。以降テレビアニメや劇場版。近年は、実写映画も公開されるなどコンテンツとしての息が長い。
そのコミック版(小学館)を描いた、ゆうきまさみ氏のマンガ『究極超人あ~る』(同)も、いま再び注目を浴びている作品だ。同作が「週刊少年サンデー」(小学館)で連載されたのは1985年から87年。それが、今年は31年ぶりに単行本の続刊や、愛蔵版ボックスなども発売されているのである。
このほかにも、再始動した往年の名作は枚挙にいとまがない。『シティーハンター』の新作劇場版アニメは、来年2月に公開予定。『銀河英雄伝説』の新作テレビアニメ『銀河英雄伝説 Die Neue These』(TOKYO MXほか)も、さまざまな批評を浴びながらも注目はやまない。
そうした作品については、年齢を重ねたかつてのファンばかりが騒いでいるわけではない。関連した催しなどに足を運ぶと、目立つのはリアルタイムには産まれてもいなかったであろう若者の姿。そういう若者に話を聞くと、誰もがこんな話を。
「親の本棚にあったので、読んでドハマリしました。今は、親子で楽しんでいますよ」
今では、コミックマーケットなどで親子でコスプレをしている人も当たり前のようにいる。そうした往年の名作の再始動は、仕掛ける側からは、どう見えているのか。アニメ製作会社の関係者は語る。
「いまだに語り継がれている作品というのは、世代を超えて観賞に堪えうる力を持っている……つまり、名作です。1クールごとに廉価なグッズがちょこちょこと売れるというルーティンを繰り返すだけの深夜アニメよりも、手堅いのは間違いありません。それに、今では親世代になったファンは財布も大きいですし……」
ビジネス面でも美味しい往年の名作。かつては存在しなかったグッズが次々と発売されるのは、ファンにとっても喜ばしいことだ。
(取材・文=昼間たかし)
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