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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『ケンカツ』吉岡里帆、存在感薄まる

『健康で文化的な最低限度の生活』視聴率5%割れで打ち切り危機? 吉岡里帆の存在感が薄まるばかり……

 しかし今回、明らかに精神的な疾患を抱えた様子の光に対して、半田以外の職員たちがまったく気にかけずスルーという態度はいかがなものかと思いました。そして、なりふり構わず父親との連絡を優先しようとする京極に対し、普段は温厚な半田が珍しく食って掛かるシーンが2度ほどあり、CMに入る前には、『半田VS京極 真っ向から対立!?』という煽りテロップまで入っていました。

 意見の食い違いによる対立構図をつくるのは構わないのですが、主役であるはずのえみるが完全に蚊帳の外といった感じになってしまったんですよね。今回はほぼ脇役レベルといえるぐらいの出番しかなかったイメージでした。

 というより、前回も同期の七条竜一(山田裕貴)がメインで、ゲスト出演した安達祐実がシングルマザー役を好演していたため、回を追うごとに吉岡の存在感が薄まっていくばかりといった印象を受けます。

 他にも、元・生活保護受給者の阿久沢正男(遠藤憲一)が、実の娘・片岡麻里(阿部純子)と15年ぶりに再会したり、えみるの同期の仕事ぶりがちょくちょく挿入され、物語に広がりをもたせようとする努力が感じられるのですが、これが功を奏しているかといえば、そうでもない。むしろ、ストーリーがとっ散らかってしまい、見ていて落ち着きません。

 それと、ディテールに関してですが、光の服装が小ぎれいなため、数年間ホームレス生活を送ってきたというリアリティーがまったく感じられませんでした。また、父親との対立や、鬱病を発症した原因を説明するシーンを、少しぐらいは挿入しておいた方が良かったのではないかとも思いました。それがなかったため、ちっとも感情移入できませんでした。光が精神的に取り乱す場面がいくつかあったのですが、そのたびに置いてけぼりをくったような感覚を味わってしまいました。

 果たして今回のテーマは、2週にわたって放送するほどメッセージ性の強いものなのかどうか、疑問に感じるところもありますが、とりあえず次回を待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

 

最終更新:2018/08/15 20:00
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