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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『絶対零度』の“殺しとけ”感が怖い

フジテレビ月9『絶対零度』好調キープも“番手の低い役者から殺しとけ”感が怖いです……

■お前、平田だろ。

 

 結果、処刑人はミハンチームの田村さん(平田満)でした。例によって井沢が唐突に真相を突き止め、フードをかぶって秘密基地でノートパソコンをいじる田村さんに詰め寄り、自白を迫ったのでした。

 ここまで、田村さんが処刑人である可能性は、視聴者には一切示されていません。何かとっかかりになる出来事があって井沢が田村さんを疑うのではなく、井沢が疑い始めてから「田村さん=処刑人」の説明が始まるのです。「実は25年前の連続殺傷事件の現場に田村さんもいた」「そのとき田村さんは動物殺傷が殺人につながる可能性を訴えていた」「現場で婚約者を殺されていた」「遺族から不条理な糾弾を受けていた」などなど、後出しで建て増しの事実関係を積み上げて辻褄を合わせ、最後は田村さんに拳銃自殺をさせて、はい悲劇の一丁上がり。本田翼号泣。めでたしめでたし。

 平田満はミハンメンバーを演じる役者の中で、もっとも番手の低い演者でした。ここでいなくなっても、別に大丈夫。だから殺す。まるで恋愛ドラマの中盤にテコ入れで出てくるキスシーンみたいに、簡単に田村さんの命が捨てられてしまいました。

 前々から折に触れて書いてきましたが、このドラマの「人の痛み」に対する鈍感さ、扱いの軽さは、極めて居心地が悪いんです。しかも、作り手側がそういう鈍感さに、あんまり自覚的じゃないように見える。テンポよくサクサクと、基本的には“楽しく見れちゃう”ドラマだけに、なんか、何かが怖いんですよ。知らんけど。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

最終更新:2018/08/15 13:47
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