楽屋にツバ、ファンレターを廃棄、スタッフから窃盗……先輩の悪事に忖度する後輩芸人の姿を浮き彫りにした「お笑いおとり捜査」
#お笑い #庄司智春 #くりぃむしちゅー #上田晋也
■ディレクターの財布から札を抜くくりぃむ上田に、何も言えないダイアン津田
この企画には、くりぃむしちゅーの上田も挑戦している。しかし、上田に腹心的な後輩はいないらしい。そこで番組が後輩役に選んだのは、先日、上田が同番組で初めて会ったばかりのダイアン・津田篤宏である。
まず上田は、津田の横の席に着くなり、誰かに電話し始めた。
「おお、マリ? 今週、どこか会える日があるとうれしいんだけど。いやいや、大丈夫だよ。奥さんにはバレないもん、どうせ。ホテルでもいいし、お前んちでもいいし」
このご時世で、堂々と不倫相手に電話する上田。
「遊び歩いてるんですか? マジすか!? いや、さすがっす!」(津田)
注意するどころか、津田は上田をリスペクトした。
注意されない上田はエスカレートする。退出したディレクターが置いていった財布からお札を数枚抜き取り、ポケットに忍ばせたのだ。目の前で犯罪を働く先輩芸人。裸の王様うんぬんではなく、これはもうただのヤバい奴だ。
津田「ちょっと!(笑)」
上田「忘れた奴が悪いんだよ」
津田「いや、ちょっと上田さん……。お金はちょっとマズいです。大丈夫ですか?」
上田「お金? いいよ。別に気づきやしねえんだから。大丈夫だよ。競馬で勝ったとか言ってたから」
津田「いやあ、これはちょっとやめときましょうよ」
上田「なんで?」
津田「なんでって犯罪ですよ」
上田「大丈夫でしょ、身内なんだから。真面目か、お前? うっせーな」
津田「いや、すいません!」
とがめるどころか、犯罪者にすごまれて直立不動の津田。上田は後輩を共犯にすべく、さらにお札を抜いてそれを津田に握らせた。
津田「これ、捕まりますって! だって、指紋めっちゃついてますよ」
ティッシュを取り、ディレクターの財布を入念に拭き始める津田。先輩を制止するどころか、証拠隠滅を図った。
「指紋拭きやがった、あいつ!(笑) 犯罪に協力してんじゃん」(くりぃむ有田)
やはり、お笑い界の上下関係は絶対。先輩の問題行動に口を挟めない後輩という図式が浮き彫りとなった格好だ。
基本、この手の企画は犯人である当事者をドッキリにかけるのが定石だった。そういう意味で、今回の企画は新しい。「忖度」という言葉が日常語に昇華した昨今にタイムリーでもある。
悪事が発覚すると「周りで見て見ぬふりしてた奴も同罪だ」なんてよく言われるが、正直、その指摘はキレイごとの域を脱していなかった。今まではだ。でも、今回の企画は同調圧力にもメスを入れている。2018年にふさわしいではないか。新フェーズに入った、画期的なお笑いおとり捜査である。
(文=寺西ジャジューカ)
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