『グッド・ドクター』心がピュアな視聴者ならば感涙もの? “感動狙い”の演出があざとすぎる……
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そんな中、倫太朗が白血病を再発させて昏倒。病気のせいで好きなことができない倫太朗のような患者がいることや、自分がいかに恵まれているかに気付いた響は心を入れ替え、手術を控える倫太朗の病室を訪れます。そして、他の子供たちとともに合唱をして、倫太朗を勇気づけるのでした。
歌を続けたいという気持ちを新たにした響に対し、湊は、喉を損傷させることなく病巣を取り除く手術方法を考案。高度な技術が必要なオペなのですが、湊の的確な指示を受け、執刀にあたった夏美が無事に成功させます。
そのオペ中の様子や、夏美から「医師として成長している」という報告を受けた高山は、湊を小児外科医に留めることを決意。小児外科医として、湊の未来がまた一歩拓けたかと思われた矢先、いかにもガラの悪い湊の父親が来院してきたところで終了となりました。
今回は、これまで湊のことを頑ななまでに拒絶していた高山の、湊への想いや弟に関するつらい記憶が明かされる回となりました。社会に受け入れられなかった弟と同じ想いを味わわせたくはない、という配慮から厳格な態度をとっていたとのことですが、思わず「はぁ!?」と首を傾げた視聴者は少なくなかったのではないでしょうか。
というのも高山は、これまでに何度も湊を突き飛ばしたり、言葉の暴力を浴びせてきたからです。また、他のスタッフたちが湊に対して乱暴を働いても黙認。湊に弟の姿を重ね合わせ、医者として生きていく道の険しさを案じていたのならば、もっと優しく説き伏せるのが筋というものだと思うのですが。今までの高山の態度は、弟を死に追いやった自動車工場の同僚たちのそれとまるで一緒。矛盾だらけの言動に納得がいきませんでした。
それから、これは前回のレビューでも指摘しましたが、いかにも「はい、ここで泣いて頂戴!」といわんばかりの感動の押し売り演出が、今回も目に余りました。それはずばり、倫太朗の病室で響や子供たちが合唱を披露したシーンなのですが、心がピュアな人であれば感涙ものだったのかもしれません。しかし、そうではない筆者はあざとすぎる演出に全身がむず痒い想いでした。
まぁでも、視聴率が好調ということは、そんなハートフルな展開が受け入れられているということなのでしょう。山﨑の演技は安定して上手ですし、このままいけば“2.5次元俳優”の座から脱して、実力派として認知されるようになるかもしれませんね。
(文=大羽鴨乃)
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