アイドルグループに訪れる「終わり」とどう向き合うべきか――ドラマ『婚外恋愛に似たもの』第7話
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誰だって、人生において、別れなどというものは数限りなく経験する。恋人と別れ、友達と別れ、家族とだっていつかは別れていく。ただ、そこで「自分のやるべきことはやった」という実感があれば、悲しみはあるにせよ、納得して受け入れられるのではないだろうか。しかし、アイドルの解散に関して、ファンは何もできないことが多い。それが、歯がゆさでもあり、悔しさでもある。
アイドル界にはそんな心情を逆手に取った、「解散商法」というものもある。「新曲がオリコンで◯位に入らなければ解散」「売上が◯枚を超えなければ解散」といった条件をつけ、売上を伸ばそうという商法だ。
実は、先に挙げたグループでも、ベイビーレイズJAPANは「デビューから2年以内に武道館公演をできなければ解散」という命題を掲げていたし、バニラビーンズもエイベックスに移籍した際「新しく発売するシングルとアルバムを合わせて1万5,000枚売れなければ解散」という課題を与えられたことがあった。
もちろん、その時はどちらも目標を達成し、グループも存続したわけだが、実際に解散する時には、何ら条件を課されることもなく、粛々とファンに告げられただけだった。個人的には、解散商法も、アイドルとして話題性があることや、ひとつの方針としてありだと思う。解散を前にして、ファンに「できることがある」というのは、まだ良い方なのだ。
ドラマでのスノホワは、期せずして解散商法に近い状況に置かれてしまったことになる。そして美佐代は思う。
「スノーホワイツが解散したら、私のみらきゅんはどうなってしまうのか」
この点も、アイドルが解散することにより、ファンが不安に思う重要なところだ。
多くの場合、アイドルグループの解散=引退、ではない。推しのメンバーが芸能活動を続けるのであれば、これからも見守ったり、応援したりはできるはずだ。それでも、解散の意味は大きい。明確な理由付けはできないが、アイドルであること、そしてグループであることには、何か大きな魅力があるのだ。「神田みらい」というひとりのタレントは残ったとしても、「スノホワのみらきゅん」は、この世からいなくなってしまうのである。
解散後、ソロで活動したアイドルのほとんどが、以前ほどの人気を得ることができずにいるという現実を見ても、グループの力というのは大きいのである。
さて、次回はいよいよ最終回。美佐代と雅は、スノホワ解散を阻止するため、事務所へと乗り込んでいく。彼女たちは何をするつもりなのか。アイドルのためにヲタクができることはなんなのか? アイドルとドルヲタの関係性にひとつの答えが見いだせるかもしれない。
(文=プレヤード)
■ドラマ『婚外恋愛に似たもの』
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