味スタ満員も、試合途中で次々退席……イニエスタ不在で浮き彫りになった「Jリーグの課題」
#サッカー #Jリーグ
「イニエスタが加入したからといって、急に観客が増えるわけがない」
元スペイン代表で、バルセロナのレジェンドともいえるアンドレス・イニエスタのヴィッセル神戸加入が決定してからも、そんな懐疑的な声をよく耳にした。
が、そんなことはなかった。
スペイン代表として先のW杯に出場していたにもかかわらず、強行来日したイニエスタが7月22日、湘南ベルマーレ戦に出場。Jリーグデビューを果たした。コンディションが整っていない中でも圧巻のプレーを見せ、「海外サッカーは見るけど、Jリーグはレベルが低いから見ない」層を引き込んだ。
それを物語るように、関東初お披露目となった今月5日のFC東京戦のチケットは完売。イニエスタが一時帰国したため、この日は出場しなかったものの、味の素スタジアムには4万4,800人もの観客が詰めかけた。まさにイニエスタ効果である。
しかし、イニエスタ不在で、Jリーグの課題が浮き彫りになったと、試合を取材したサッカーライターは明かす。
「満員になったのは、いわゆる“海外サッカーファン”がスタジアムに足を運んだからです。彼らをJリーグに取り込むためにも、いい試合を見せなければならなかったのですが、エンタテインメントとは程遠いものでした」
前半は0-0の膠着状態といえば聞こえがいいが、実際はダラダラとボールを回し、ミスで相手に渡るといった、お粗末な内容。ペナルティーエリア内でのシュートの見応えもなく、ハイライトといえる場面はなかった。
終盤、残り30分を切ってからは、互いに疲れてきたこともあり、スペースが生まれ、シュートチャンスが増えた。アディショナルタイムにFC東京が得点を奪い、1-0で勝利となったが、海外サッカーファンの多くは、すでに退席していたという。
「あまりにもレベルが低すぎて、結構な数の観客が、後半20分くらいに帰り始めたんです。電車が混むのが嫌だったんでしょう(笑)。その天秤に負けるくらい、魅力のない試合だったということです。これでしばらく、海外サッカーファンに『やっぱりJリーグはレベルが低くて、見る価値がない』と嘲笑されるのは必至です」(同)
イニエスタ効果によって観客は一時的に増えても、Jリーグのレベルが上がらない限り、ファン拡大は望めそうにもない。
「J1のチーム数を少なくし、プレミアリーグ化してレベルを上げる。かつ、過密日程を解消するといった抜本的改革の必要性を痛感しましたが、Jリーグ幹部がどう考えているか……」(同)
W杯での日本代表の健闘ぶりもあり、日本中のサッカー熱が上がる中、Jリーグにも頑張ってもらいたいものだ。
(文=TV Journal編集部)
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