日本ボク連・山根明、日大・田中英寿……「一刻も早く身を引くべき」な“老害”たち
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
先週、仮想通貨問題に関与したのではないかと報じられた野田聖子総務相だが、今週の文春は、夫・文信と親しいジュエリーブランド「ビジュード」(本社は京都の「リブート」)の中野猛社長が、「脱法献金」していると追及している。
ここは悪質なデート商法で、「リブート」の前身の「ジェムケリー」は12年に訪問販売業務の一部を半年間停止するよう命じられている。
現在は、販売会社を4つに分けて同じような商法を続けているという。
「中野氏は今もテレアポやデート商法で若者を勧誘し、ローンを組ませ、高額なジュエリーを売っている」(「リブート」元社員)
昨年4月、そんな会社の監査役に文信氏が就任しているそうだ。
この会社の社員に中野社長は、自民党員になれと書類を書かせているという。そして1年後に、「党員継続のお願い」が社員のところに届いた。振込先は野田が代表の、「自由民主党岐阜県第一選挙区支部」。それも一般党員は年会費4000円だが、2500円でいいと但し書きがあったというのである。
会社側が社員を勝手に党員にして、その分の党費を自ら支払っていたら会社側の寄付になり、野田が知らされていて、かつ、収支報告書に記載していなければ、政治資金規正法違反の不記載になると、上脇博之神戸学院大教授がいう。
グレーなビジネスを続ける社長と昵懇の夫。その社長から金銭的な支援を受けている野田総務相。これまでの野田聖子とは違ったイメージが次々に明らかになっていくが、元暴力団員だった男と再婚したからなのだろうか、それとも、もともと彼女にはそうしたものを受け入れる下地があったということなのだろうか。
杉田水脈(みお)衆院議員が新潮45に書いた、「LGBTの人は子どもを作らないから『生産性』がない」という文言に批判が巻き起こった。
二階幹事長も「人それぞれ政治的立場、いろんな人生観、考えがある」などとボケた発言をしていたが、ついには「問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた表現がある」として、杉田に今後は注意するよう指導した。遅すぎたが。
杉田の経歴は、文春によると、兵庫県神戸市出身で、住宅メーカー、西宮市役所勤務を経て、11年に日本維新の会から出馬、初当選する。14年には落選するが、昨年の衆院選では自民党から出馬して再選される。
過激な発言で目立っていた杉田を、「鉄砲玉に使える」と評価したのは安倍首相で、中国ブロックの比例名簿で、最上位に記載される「特別待遇」だった。
今年1月にもツイッターで「世の中に『待機児童』なんて一人もいない。子どもはみんなお母さんといたいもの。(略)待機しているのは預けたい親でしょ」といい放っている。
しかし、杉田には鳥取大学の同級生だった夫と娘がいるが、政治活動を始めてからの彼女は、娘を親の実家に預けっぱなしだったという。「親に育児を丸投げしていた」(杉田の知人)のに、よくいえるよ。
つくづく安倍というのは人を見る目、特に女を見る目がないと思う。
お次はポストの記事。日本をダメにした何々というのはよくやるテーマである。
昔、浜田幸一という元議員が『日本をダメにした9人の政治家』という本を出し、ベストセラーになったことがあった。
書いた本人がダメ議員で、それが9人の政治家をこきおろしたから面白かった。
今回のポストは、ダメにした総理10人だが、戦後登場した総理で、この国をダメにしなかった総理などわずかなものであろう。
歴代の総理連中が、多かれ少なかれ、何らかの形で日本に対して悪さをして去っていったのである。
その結果が今の惨状なのだ。
それはともかく、実名で政治記者、評論家、学者たち52人が挙げた最悪の総理ワースト3は?
1位は菅直人、2位が安倍晋三、3位が鳩山由紀夫である。小泉純一郎や麻生太郎、森喜朗を堂々と抜き去り、菅はともかく現役の安倍が2位とは見事なものである。
元文部官僚で京都造形芸術大学の寺脇研教授によると、推薦の理由はこうだ。
「三権分立を壊すという、とんでもない政治を行っている。国会軽視、官僚委縮、そして政権に対するチェック機能を潰してきた。あげく、司法にも人事で介入する始末。第4の権力とも称されるマスコミにも、圧力の関係を築いた。つまり、戦後の立憲主義を破壊した」
まあ、だいたいいい尽くされているが、安倍の大罪は、戦後を形作ってきた平和主義、国民主権、人権主義などをすべて破壊してきたことである。
もちろん、まだ安倍ごときに壊されないものは残ってはいるが、このまま安倍のような人間の政権が続けば、それさえも吹き飛ばされてしまうかもしれない。
一番心配なのは、そうした安倍的なものに不安感を抱かない若い世代が増えているということである。
生活が苦しい、余裕がないから仕方ないのだろうが、ナップザック一つで若者は世界を見に行くべきだ。
もう一度外から日本を見てみる。いかにこの国が歪なのかがよくわかるはずだ。
スマホを捨てよ、世界へ雄飛せよ! 若者たち。
ワイドショーは日本ボクシング連盟を私物化してきた山根明会長の告発問題一色である。
不思議なことに文春も新潮もこの問題を大きく取り扱っていない。この山根という男、周りにイエスマンばかりを置き、やりたい放題してきたようだが、その手本となったのが日大の田中英寿理事長である。
2人は数十年来の仲だ。しかも、今年の4月には山根が日大の客員教授に就任している。
アマチュアスポーツ界を食い物にしてきた2人の男が、そろって批判にさらされている。これは時代の必然というべきであろう。次は高校野球だと、私は思っている。
その田中理事長が、日大の不正入学に関わっていたと文春が告発している。日大の元幹部職員がこういっている。
「日本大学すべての運動部を統括し、予算を握るのが保健体育審議会です。現在、保体審には三十四の運動部がありますが、それぞれがスポーツ推薦の入学枠を持っている」
全国大会の成績などに応じて入学試験のハードルを下げて受け入れるのだが、相撲部とアメフト部は多くの推薦枠を持っていて、「なかには全国大会での成績を改竄したり、未経験のスポーツのユニフォーム姿で写真を撮影して申請しながら、入学後は別の運動部に入部するケースもあった」(元幹部職員)。
その推薦枠が200~300万円で売買されていて、そのカネが監督の懐に入っているというのである。
田中が相撲部総監督の肩書を手放さないのは、そこに巨大な利権が存在するからだと文春は指摘する。
さらに56億円もの使途不明金があるというのである。91年に練馬区の誘致によって医学部付設の病院として建設された光が丘病院だが、その後経営危機に陥り、日大は撤退を表明した。
練馬区側は、供託していた50億円に遅延損害金として約6億円を乗せて払ったが、医学部や各学部に1円も戻されることなく、日大本部に総取りされてしまったというのである。
その使途は田中とその側近しか知らないという。96年から05年まで日大の総長を務めた瀬在幸安氏も、都合のいい時だけ自分がトップだと主張し、報復人事までやっているのに、今回は自らの説明責任さえ果たさない田中に、「一刻も早く身を引くべきです」と直言している。
ドンというのは自然にできるわけではない。その人間についていれば甘い汁を吸えるという思惑を持った人間たちが作り出すのだ。
フジテレビの単独取材に日本ボクシング連盟・山根明会長が答えたが、その後、堰を切ったように様々なテレビに出ては、手前勝手ないい分を吠えまくり、さらに顰蹙を買っている。
その中で山根会長は、リオオリンピックに出場した成松大介選手に交付された助成金240万円を、別の2人と3等分したことは認めた。
だが、会長専用の椅子やおもてなしについては、自分は要求していない。奈良県出身の選手への依怙贔屓判定は「絶対ない」。村田諒太の「古き悪しき人は引退せよ」発言に対しては「ショック」だといった。
フライデーが、山根会長の「ルーツ」を報じている。これが今週の第1位。
山根は、ボクシング経験がないことは知られていたが、いかにしてのし上がってきたかについては謎だった。
山根について語っているのは、彼より2歳上で、山口組傘下の「小田秀組」の若頭として名を馳せた元暴力団組長のM氏。
「山根は私の舎弟でした」と語りだした。いまから60年ぐらい前、山根が20ぐらいの頃、組員の紹介で自分の組に入ってきたという。正式に盃を交わしたことはないそうだ。
組には10年ぐらい出入りしていて、「仕事は私の使いっ走りをさせていました」(M氏)。最初の嫁さんを山根がもらうとき、婚姻届けの証人になったそうだ。
山根はM氏に「京都や奈良の組にも出入りさせてもらっていました」と語っていた。
「奈良のボクシング連盟に取り入ったのも、そのツテでしょう。私の組に所属していた頃も、連盟には出入りしていました。入り込んだ後は、ヤクザの流儀で頭角を現していった。強い者には平身低頭して、弱い者は恫喝する、というやり方です。そうして会長にまで成り上がってしまった」(同)
山根会長は、19歳の頃M氏と知り合い親密になったことは認めているが、組の構成員になったことも、組員として活動したこともないと答えている。
だがサングラスをかけたまま居丈高に吠える様子や、語彙の乏しさ、さながらヤクザ映画の一シーンを見ているようである。
記者会見などやらずとも、山根会長の退陣は、誰から見ても間違いない。
【巻末付録】
まずはポストからいこう。「納涼グラビア 昭和の女優 浴衣姿のいい女」。山本陽子は浴衣が似合うね。
「朝ドラ『ええにょぼ』ヒロインの『人生初グラビア』戸田菜穂 Fragile」。巻頭の袋とじは「70年代 青春アイドル思い出ビキニBOOK」。吉沢京子がよかったね。
後半は思わせぶりな袋とじ「特別掲載 ザ・ヴァギナ・ミュージアム」。見てガッカリしてはいけない。いつもいっているように、すぐ見られてガックリされてはいけないから袋とじにするものは多いのだから。
「私が衝撃を受けた『伝説のヘア・ヌード写真集』」。私が手掛けた荻野目慶子の写真集が入っている。懐かしい!
袋とじ「永遠のマーメイド 石原真理子」。彼女も五十路を越えたのか……無理もない。何が? 「さとう珠緒 小悪魔ビキニの夏」「全裸マッサージ」。これは魅せる!「なをん。オールスター大集合」。8月6日からAmazon他書店で好評発売中とある。写真集になったんだ。
現代は、最大の売りが巻頭の「河合奈保子 本誌特製『両面ポスター』付き」。彼女のポスターが付いてるが、これを買いたくて現代を買う読者がどれだけいるのか? 可愛いけどね。
袋とじは「平嶋夏海ちゃんと 超リアルな一泊旅行」。最先端VR動画で見られるそうだが、めんどくさくて。
「篠山紀信が絶賛する日本一美しいカラダ 平塚千瑛『艶ヌード』」。なかなかの迫力。「美女たちの『脱衣』ゴルフコンペ開幕!」。これは見てのお楽しみ。「AKB48でトップのグラビア人気 高橋朱里」。袋とじ「昭和25年生まれに贈る『僕らのマドンナ』青春ブロマイドBOOK」。そういえば、緑魔子ってどうしたのかな?
というわけで量は申し分ないが、これはというのがなかったため、今週は引き分け!
(文=元木昌彦)
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