退会できない謎仕様、支払い遅延のウワサも……パトロンサイトの先駆け「Enty」に批判が殺到中
国内のパトロンサイトの先駆け「Enty」に、不安や不信の声が広がっている。クリエイターの都合で退会できないばかりか、支援者からの支援金が振り込まれないとの声も上がっているのだ。
パトロンサイトは、クリエイターが会費に相当するプランやサービスを設定。ファンの側は設定されたプランから任意のものを選び、毎月決まった金額を支援するというシステム。
ファンはプランの金額に応じて、限定コンテンツを受けるなどのサービスを受けられる。
海外では「Patreon」が盛んだが、国内では「Enty」のほか、とらのあなが運営する「Fantia」。Pixivによる「Pixiv Fanbox」が広く利用されている。
そうした中でも国内では先駆けといえる「Enty」。これまでも、退会ができない仕様になっているとして問題になってきた。
本来、クリエイターの側が加入して支援を募るわけだから、やめる権利もクリエイターの側にありそうに思える。ところが「Enty」では、ファンの全員が支援を取りやめないと、退会ができないという仕組みになっていたのだ。
つまり、クリエイター本人がやめたいと考えて更新を停止しても、毎月の支援金が入り続けるというわけだ。
問題は、その支援金の入る先である。幾人ものクリエイターに指摘されているが、投稿件数が規定に達していないと「支援期間に対して投稿数が不足している」として、支払いの申請自体が拒否されるシステムなのだ。
つまり、クリエイターが「Enty」をやめる気になった場合、必死に呼びかけてファン全員に支援の中止処理を行ってもらわないと、何も更新がないのにファンは毎月お金を取られる。そして、そのお金は、クリエイターには支払われずに、運営の懐に……となってしまうわけだ。
また、規約に従って利用していたクリエイターにも不満の声が広がっている。SNSでは、支払いが遅延しているという不満が頻発しているのである。そもそも「Enty」を退会する意向を示しているクリエイターが多いのは、支払い遅延が理由。でも、退会しようとしてもすることができないというわけだ。
こうした批判の声に対して、サービスを運営する株式会社onetapに取材を申し込んだが、返答はなかった。
いまだ利用している人気クリエイターも多い「Enty」だが、公式Twitterアカウントは、昨年2月を最後にリツイートすら停止している状況。運営が混迷していることだけは、確かにうかがえる。
今後「Enty」側から、なんらかの動きがあった場合は、改めて報告する。
(文=特別取材班)
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