乳飲み子を背負った女性の背後から銃乱射……カメルーン軍がイスラム過激派組織の家族を処刑か
#海外ニュース
イラクではISISの元戦闘員やその妻らに対し即決裁判で死刑が大量宣告され、世界的な非難を浴びているが、西アフリカでそれ以上に残虐な事態が発生しているのではないかとの疑惑が持ち上がっている。
ライフルを携え、迷彩服に身を包んだ兵士らに、追い立てられるように歩く女性や子どもたち。その後、ひとりの兵士は乳飲み子を背負った女性を乾いた土の上に座らせると、「お前らはボコ・ハラムだ。死ぬんだ」とフランス語で告げ、彼女に布きれで目隠しをする。次に、10歳に満たないとみられる少年にも、Tシャツで目隠しをしたのだった。そして兵士は、絶望した様子で力なくへたり込む女性や子どもの後ろからライフルを乱射する―。
この衝撃的な動画は、7月半ばあたりから、ネット上で問題となっているものだ。
ボコ・ハラムは、ナイジェリアを拠点に活動するイスラム過激派集団で、ISISに忠誠を誓い、キリスト教系住民の虐殺や無差別テロを行っている。一方、ナイジェリアと周辺国の軍は、合同でボコ・ハラム掃討作戦を実施している。
この動画の撮影日時や撮影場所は特定されていないが、兵士の迷彩服のデザインなどからナイジェリアの隣国、カメルーンの国軍ではないかとの見方も出ている。
これに対し、カメルーン政府の広報担当者は「映像の迷彩服はニセモノである」と、自国軍の関与を否定。「我が国のイメージを損ねる目的で制作された動画である」として、現在調査を行っているという。
しかし、人権団体のアムネスティ・インターナショナルは、処刑を行った兵士らがカメルーン軍所属であることを確信しているようだ。その根拠として、同軍が民間人や敵戦闘員を虐待していることや、ボコ・ハラム戦闘員の捕虜に対して拷問を行っていること、さらに同国西部地域の英語系住民が住む村落で、民間人を虐殺していることなど、同軍の残虐性を挙げている。
ISISやボコ・ハラムは、国際的な掃討作戦により一時に比べ勢力を失いつつあるが、憎しみの連鎖と虐殺の応酬はいつ断ち切られるのだろうか……。
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