【ましのみ】巷を騒がす現役女子大生シンガー・ソングライターを形成する“種”を探る旅
――一筋縄でいかない感性を持つ女性アーティストが、アッパー極まりない夏ソング「どうせ夏ならバテてみない?」をリリースするということで、いざ直撃!
ステージドリンクとして2リットルのペットボトルを飲むことからタイトルが付けられたメジャー・デビュー・アルバム『ぺっとぼとリテラシー』を、今年2月にリリース。そこに詰まった愛くるしいメロディと、ポップなんだけどピリッとした本音をまぶした歌詞が注目を浴びている現役女子大生シンガー・ソングライター〈ましのみ〉。ステージではキーボードを弾きながら“ましらっぷ”なる自己紹介ラップを繰り出すなど、エキセントリックなところもウケている、そんなましのみを形成する“種”を探ってみた。
「ナンセンスに逆戻り」「プチョヘンザしちゃだめ」「エゴサーチで幸あれエブリデイ」。これはすべて曲のタイトル。こういうユニークな言語感覚を生み出す種は、大学の授業や日常会話に転がっているようだ。
「講義で教授が使う丁寧語や専門用語が面白いんですよね。教授が“リスクマネジメント”ってめっちゃ言うから、『リスクマネジメント失敗』って曲を作ったり。同世代に響くリアルな言葉を使いたいから、周りの人が使ってる言葉で『気持ちいいな』とか『なんか引っかかる』っていう言葉は普段からメモしてます。けど、“ヤバ谷園”とか“ムリ茶漬け”とか、そういう流行り言葉は使わないかな。あと、最近よく聞く“バイラル”っていうカタカナ語もイマイチ意味がわかってません(笑)」
ちなみに、彼女のクローゼットで勝手に増えちゃっているのは3足1000円の靴下。1日3食、口にしても飽きないほど好きな食べ物は卵。食べることが大好きで、最後の晩餐には肉も魚も卵料理もスイーツも目いっぱい並べたいという。唯一苦手な食べ物は、パクチー。理由は「わざわざいてほしくないというか、すべての味に干渉してくるから」。では、この世から消えてなくなれと思うものは何か?
「“イタい”っていう概念。『変わってるね』と言われても『あなたにとっては変わってるかもしれないけど、私にとっては普通なの』で終わるんです。でも『うわ、イタッ……』っていうのは、引かれてるじゃないですか。そういう陰湿な感じが嫌い。同じフィールドに立ってないのに後ろ指を指してくる感じもイヤ。ネットはそういうところがあるから、そんな状況やそういう人たちのことは普段から曲でわりと揶揄してます」
そんな彼女が初めて作ったサマーソングが「どうせ夏ならバテてみない?」だ。制作にあたっては「夏に向けてのワクワクを、私なりの角度で、“結果的にポジティブ”になるように書いた」という。
「恋愛は“好き”の感情が強いほどマイナスの要素も生まれるけど、好きだからこそ不安になるとか、期待を裏切られて怒るとか。でも、それが恋愛の醍醐味だと思うし、私はそこにグッとくるから、そこを表現したかったんです」
とはいえ、この曲の舞台は夜。せっかくのお泊まりなのにそっけない態度を取られてしまって悶々とする女子が、バテたい!(=セックスしたい!)とおねだりするのを想像させる、ちょっとエッチな歌でもある。
「そこにフォーカスしたかったわけじゃなくて! ただ、同世代に共感してもらいたいからピュアすぎるのもどうかと思うし。きれいごとじゃなくて、生々しいものを書きたいなとは思ってました」
歌詞で印象的なワードは「朝に残る倦怠感」「自発的な腕枕」などだが、最後に、ましのみの恋愛感を紐解く種として、腕枕されたい男性のタイプを聞いてみた。
「筋肉がなさそうな人。私、自分とかけ離れてる男性が苦手なんです。声がメチャメチャ低い人も『こわっ!』と思っちゃうし、自分に筋肉がないので、もう筋肉という物質自体が苦手なんです(笑)」
本格的な夏の到来に向けて筋トレしていた男子諸君。ましのみと“夏バテ”したければ、その手を今すぐ休めてみない?
(文/猪又 孝)
ましのみ
1997年生まれ。現在、大学4年生の現役女子大生シンガー・ソングライター。今年2月に『ぺっとぼとリテラシー』でメジャー・デビューを飾る。来る9月8日には、ニュー・シングル「どうせ夏ならバテてみない?」のリリース・ワンマン・ライブを代官山UNITで行う。
https://mashinomi.com
「どうせ夏ならバテてみない?」
販売元/ポニーキャニオン 価格:2160円(初回限定盤)、1296円(通常盤)
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