加藤シゲアキの“余裕”っぷりに違和感……『ゼロ 一獲千金ゲーム』はNEWSファンじゃないとしんどい!?
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ライターとしてこんな芸のないことは言いたくないのだが、正直、かなりしんどい初回だった。7月15日よりスタートした『ゼロ 一獲千金ゲーム』(日本テレビ系)。
一つ言いたいのは、未読の方はそのまま原作に触れないほうがいいということ。
本作は、賞金1000億円を懸け、知力・体力・時の運を試される特別なゲームに若者たちが挑む物語。とはいっても、運的要素はほとんど絡んでこない。それぞれのゲームには、明確な勝ち抜け方が必ずある。そして、主人公・宇海零は、イチかバチかの勝負は絶対にやらない。
福本伸行原作の『賭博覇王伝 零』と実写版の今作に、ゲーム内容の差異は今のところほとんどない。漫画の実写化にはプラスアルファの肉付けが必要なはずだが、第1話にその要素はあまり見当たらなかった。
それでいてドラマ版の最大の楽しみ方は、“謎解き”にありそう。ならば、原作を読んだ者にとってドラマ版は不毛ということになる。だって、謎を知ってしまっているから。だから、原作に触れないほうがいいと言っている。原作を読んだ上でドラマと付き合うには、「この先、ドラマならではのプラスアルファが出てくるのでは?」と淡い期待を持ち続けるしか道はない。それでしか、モチベーションを保てないのだ。
■ゲームの謎を解き明かす視聴者が続出
正体を名乗らず人を救う義賊集団「ゼロ」の出現が、世間では話題になっていた。振り込め詐欺被害に遭った金を犯行グループから奪い、インターネット番組を通じ被害者へ返還する“現代の鼠小僧”のような集団である。
この義賊の首謀者は宇海零、通称“ゼロ”(加藤シゲアキ)。その他のメンバーには真鍋チカラ(加藤諒)、佐島ヒロシ(岡山天音)、早乙女スナオ(杉野遥亮)がいる。
この3人が、どうにもダメなのだ。いきなり、犯行グループであるヤクザの末崎さくら(ケンドーコバヤシ)に拉致られてしまっている。無能なだけじゃない。特に、チカラは薄情だ。自分だけ助かりたくて「ゼロに利用されただけなんです!」とアピールする始末。
ちなみに、ゼロの職業は学習塾講師。「神授業をする」と話題になるほど優秀だが、勉強が理解できない生徒がいると授業の進行をストップさせるのが玉にキズ。わかるまで付きっきりで解説するのが常である。
この、面倒見がよく放っておけない性分が、チカラらとの関係にも影響する。窮地に陥る3人の居場所を突き止め、ゼロはわざわざ助けに行ったのだ。
そこへ、資産100兆を超える実業家・在全無量(梅沢富美男)と幹部の後藤峰子(小池栄子)が現れた。そして、在全グループの後継者を決める選抜ゲームに参加しろとゼロたちに告げる。一同は、人生の一発逆転を狙う若者が集うゲーム会場「ドリームキングダム」を訪れた。
彼らを待ち受けていたのは、振られたサイコロの目を当てるゲーム。参加者は予想する目のサークル内で待機し、もし間違えれば誤答のサークル上へ巨大な鉄球が落下する、その名も「鉄球サークル」である。
答えを外したら、即死は免れそうにない。しかし、峰子は「ゲーム終了時にサークル内にいて、そして生きていられた者は、目を当てられなくてもクリア」とおかしなことを言う。
漫画原作があるドラマのつらいところだ。Twitterでは「サークルの端に座れば鉄球に当たらないだろ?」とリアルタイムで予測する視聴者が続出した。この読み、正解なのだ。中にはガチで予想した視聴者もいるだろうが、原作を読んでいた視聴者も少なくなかったはず。だから、ドラマならではの設定の肉付けが急務だと言っている。
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