“ローカル芸人”カミナリとU字工事が、山田うどんにビジネス指南「ダ埼玉を売りにしろ!」
#お笑い
■「“カロリーのK点超え”を売りにしろ!」(カミナリ)
第2週目の講師はカミナリ。2人は「ウリという名のインパクトが大事」だと、山田うどん社員に説いた。
そういえば、カミナリには売りが2つある。1つ目は茨城訛りのツッコミ、2つ目は「どつき漫才」だ。ツッコミの石田たくみは解説する。
「どつき漫才は昔からある文化ですけど、僕のは『こんなに思いっきり叩くか?』ってくらい強く叩いているから衝撃を与えてると思うわけです」
しかし、山田うどん社員は自社の売りがわからない模様。「山田うどんの売りは?」と質問されても、「売りは……ない(苦笑)」と頼りのない返答である。
いや、ある。まず、「やわらかいうどん」。同店が提供するうどんは、驚くほどやわらかい。山田うどんを応援する書籍『愛の山田うどん 「廻ってくれ、俺の頭上で!!」』(河出書房新社)には、さぬきうどんの全国進出により「うどんにはコシがなくっちゃ」という論調が拡大、山田うどんの評判が下降した状況が記されている。いや、そんな異端だからこそ、“売り”になり得るのではないか? それが、カミナリによるアドバイスだ。
2つ目の売りは、「カロリーのK点越え」。実は、山田うどんのセットメニューは1000キロカロリーを超えるものばかり。こちらも、やはり世の流れに反している。だが、これもアピールポイントになるのでは? 逆を突く発想を一貫してカミナリは提案するのだ。営業コンサルタントの和田裕美氏は、この手法を評価した。
「個性を生かしてほかがやってないことをやると、必ず好きな人がいるんです。サイレントマジョリティというか、言葉を発しない消費者がいるんですね。カロリーを気にする人がいる半面、実はカロリーをオーバーしても食べたい人もいる。言葉を発しない消費者に向けて物を作り続けると、ほかは負けていても、そこは絶対勝ち残る」
自らが世に出るために取った戦略を、そのまま伝授した2組。くすぶる時期の自分たちを山田うどんに重ね合わせたか? 芸人が売れるための戦略とビジネスの戦略は、相通じているということだ。
ちなみに山田うどん、意外と言っては失礼だが、たまに食べるとすごくおいしい。さぬきの食感に慣れた我々に、あのやわらかさは逆に新鮮。カミナリが言うように、売りにしてしかるべき特徴だと思う。
(文=寺西ジャジューカ)
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