話題の「人面豚」動画が突然ネット上から消えた!? 中国当局への”忖度”か
#中国
「見てみろ、象の鼻と鶏のくちばし、人間の顔を持った化け物だ」
無毛のピンク色の肌に覆われた謎の生き物を、男性は興奮気味にそう表現した。目はうつろに半開き。時おり口をパクパクと動かすも、声を出すことはできないようだ。顔の輪郭などは、確かに生まれたばかりの人間の新生児のように見えるが、豚から生まれたという。
広東省江門市の住民によって撮影されたこの動画は、6月末にネット上にアップされると、「人間と豚の交雑種」として話題に。中国版Twitter「微博」や、同じく中国版Line「微信」などのSNSで拡散された。
もちろん、人間と豚が交雑することなど生物学的にあり得ず、ネット上の戯(ざ)れ言にすぎない。ところがこの動画、なぜか中国のネット上から突然抹殺された。動画投稿サイトにアップされていた動画や、それを転載した微博の書き込みも、7月6日時点でその多くが閲覧できなくなっている。また、この動画は複数の海外サイトでも取り上げられたが、中国国内メディアはどこも報じていない。
まさか本当に、当局がその存在を公にできない未確認生物だったのだろうか……。そんな臆測も呼びそうだが、中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏は話す。
「中国では最近、ひとつ目の豚や、おでこに男性器のような物体が生えた豚など、奇形豚の誕生が相次いでいます。その原因として指摘されているのは、環境汚染です。こうした話題が広がれば、民衆の間では、環境汚染対策への不満や、食品衛生上の不安が広がりかねない。そういった理由から、当局のネット規制に引っ掛かったか、動画投稿サイトやSNSの運営会社が当局に忖度して削除しているのでしょう」
ちなみに英紙「ミラー」などの報道によると、この人面豚は生後わずか2日で死亡したというが、環境汚染を続ける人類への神の警告だったのかもしれず、このまま闇に葬っていいものか……。
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