突然の大地震、その時あなたはどうする? 実践的震災サバイバルマンガ『彼女を守る51の方法』
#本 #マンガ #ザオリク的マンガ読み
■震災後はレイプマンがいっぱい! ミニスカ・お色気は厳禁!!
メディアではほとんど報道されませんが、実は震災後、治安が不安定な状態につけ込んだ犯罪、特に強姦などが起こることもあるみたいです。酒を飲んだ男性がその勢いで……というケースが多いそうで、女性は要注意です。
作品中盤で登場し、ジンやなな子と行動を共にするリカという少女は、ミニスカートにギャルメイクで、震災後も男に色目を使って食料を分けてもらいながら賢く生き抜いていましたが、調子に乗りすぎて六本木のアウトローたちに囲まれて襲われてしまいました。
ミニスカートや露出の多い服装をしている場合は、できるだけ着替えたほうがよさそうです。
さらに作品後半の舞台となる渋谷は、政府からの救援が1週間近く来ない状況で、ギャングたちによるレイプなどの犯罪の巣窟となっており、109ならぬ009(マルキュー)はギャングたちから逃れた女性だけで籠城する女の城と化していましたが、精神的ストレスの限界となった帰宅難民たちが暴動を起こし、マルキューに一斉に襲いかかるシーンがあります。
しかし、マルキューにいた女性陣は、洋服を極限まで重ね着して、目の下にクマ、顔にニキビやソバカス、鼻の穴も大きく描いて、眉毛は太く眉尻は下げるという究極のブサメイクにより、男たちに襲われるのを逃れたのです。震災時は女であることを捨てる。究極の選択といえますが、これで身を守れるなら簡単なもんです。
■骨折ぐらいでは治療してもらえない! 災害医療トリアージ
男たちにレイプされ、心身ともに傷ついたリカの体を医者に見せるため、病院へ向かうジン一行。
しかし、そこで行われていたのはトリアージという、救命医療の方法。命を救える可能性がある人を最優先で治療するためのもので、けが人が赤、黃、緑、黒などのタグで色分けされており、赤以外のタグの人は治療をしてもらえない状況でした。
たとえ骨折していたり、眼球が飛び出ていても、命には別状がないということで治療をしてもらえないのです。当然リカも診てもらうことができず、病院を後にします。
■富士山が爆発する! 怪しげな宗教団体による震災時のデマ
震災が起きると、弱った人々の心に忍び込むように、怪しげな宗教団体が勢力を伸ばしてきます。本作品では食糧難が続く渋谷の帰宅難民に、食料とセットで「21世紀箱舟学会」なる、うさん臭い名前の宗教が会報を渡すシーンがあります。おなかが減っていてそこに食べ物があれば、宗教の会報だろうとなんだろうともらってしまうというのが人のさがですよね。
しかも、「間もなく富士山が噴火する」「北朝鮮が侵略してくる」なんてもっともらしいデマ情報をセットで刷り込まれたら、不安になって入信してしまうかもしれません。デマがはやりやすい、というのも震災後の特徴のようです。ちなみに主人公のジンも、まんまと宗教にハメられ、大ピンチに陥ってしまいます。
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というわけで、大学生とゴスロリ女子による震災後の7日間を描いた『彼女を守る51の方法』を紹介しました。コメディっぽいシーンやラブストーリー要素もあり、堅苦しくなく読めますが、万が一の時には、意外とこういうマンガで得た知識というのが役に立ったりするものです。読んでおいて損はない作品といえるでしょう。
(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)
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