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親は子どものSOSに気づけない……日テレキャスターが20年以上の取材で聞いた“生の声”『いじめで死なせない』

 このような状況に対して、親たちはどうやって子どもをいじめ自殺から守ることができるのだろうか? いじめの被害に遭い、文字通り死ぬほどの苦痛を感じながらも、なんとかそれを乗り越えたNさんの長男は、岸田に対して「救い」となった言葉をこう語る。

「親はいじめも心配するだろうけれど、学校を休んだら将来のことも心配するだろうと思っていたから、親から『休んでいい、逃げていい』って言われたときは、本当に楽になりました」

 自らもいじめられた経験を持つ岸田は、あとがきにこう綴っている。

「子どもたちは親をとことん愛している。愛しているからこそ、忙しそうに暮らす親に本音を見せることができず、ただ親の期待に応え喜ばせようと、精一杯背伸びしていることがある。親たちはそんな子どもたちの心に思いを馳せ、たとえ短い時間でも、目をこらし、心を澄まし、時に抱きしめるように彼らを見つめることが大切なのだろう。そんな親たちを社会で支える仕組みが必要だ」

 前述した教師の激務化だけでなく、両親の長時間労働や、それによって子どもからのSOSのサインを見抜く余裕がなくなってしまうなど、いじめ自殺がなくならない責任の一端は、周囲の大人たちにもある。子どもたちの命を守るために、取り組むべき課題は多い。

(文=萩原雄太)

最終更新:2018/07/12 10:54
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