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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『孤独のグルメ』にまさかの角野卓造

『孤独のグルメ』最終回は、まさかの角野卓造登場!“本当の名店”のかつてないニラ玉で最終飯

テレビ東京『孤独のグルメ』番組公式サイトより

 いよいよ最終回を迎えた『孤独のグルメ Season7』(テレビ東京系)。今や局を代表するドラマと言っても過言ではない本作。第12話「東京都中央区八丁堀 ニラ玉ライスとエビチリ」を振り返る。

(前回までのレビューはこちらから)

■久住バンドの生演奏からスタート

 今回、井之頭五郎(松重豊)が訪れたのは東京は中央区八丁堀。いつもと冒頭のBGM(松重“五郎”豊のテーマ 「STAY ALONE」)の雰囲気が違うと思ったら、まさかの原作者・久住昌之擁するザ・スクリーントーンズご本人による生演奏。

 五郎が商談で訪れたライブハウスでリハーサルをしていたのがスクリーントーンズだったという設定。目の前で「アイリッシュ・スプーン」(Season7のOP曲)の演奏が開始され「あ、なんか始まっちゃった」と慌てる五郎。からの、そのまま生演奏を活かしてのオープニングで「最終飯」を彩る。

 久住とすれ違う瞬間、五郎は「あれ、あの人……?」と何かに気付きかけるが「……ま、いっか」とやり過ごす。正直よくある手法だが、五郎風に言わせてもらえば「こういうの、なんかうれしい」。

 ちなみにこのライブハウスのマスター「五十嵐さん」を演じるのは大友康平。無茶を平気で言ってくる一見粗野な客だが、五郎もそれを受け入れ、逆に遠慮なく言い返せる認め合った間柄のよう。

 店を出た五郎に今期最後の「空腹」の波が。あんこうやフグなど高級そうな店ばかりの中「もっと庶民の店はないのかな」とさすらう。ようやく見つけた「中華シブヤ」という「教科書通りの町の中華屋」に安堵する五郎。

「庶民メシにありつけそうだ」と暖簾をくぐる。暖簾はなかったが。

 

■角野卓造が中華店にいるパラレル感

「いらっしゃい」

 迎え撃つ大将が、まさかの角野卓造。言わずと知れた「幸楽」(@TBS系『渡る世間は鬼ばかり』)のマスター。漂うラスボス感。

 しかし、この日は白い割烹着や帽子を着用していないので、パラレルワールド感がすごい。当然だが、いつまで経っても泉ピン子やえなりかずきは顔を出さない。

 あの橋田壽賀子が創造した天地とは別の異世界が広がる。メガネもしていないし、黒いポロシャツなんか着てる。もちろん何を着ててもいいのだが、やはり「中華店」に「角野」とハメてきたことで、ちょっとした部分が気になる。

 なんたって、ここの「勇」(渡る世間~での角野の役名)は調理でなくフロア担当だ。もう違和感だけでお腹がいっぱいになりそうだ。

 しかし、

「この赤地に白で手書き文字のオーソドックスなメニュー、これは信頼できそうだ」

 と、ラスボス・角野の撒き散らす「違和感」に気を取られることなく、いつものようにメニューを凝視、熟考する五郎。

「エビトースト? ちょっと気になるじゃないか……」

「ニラ玉かぁ……いやエビチリが俺を呼んでいる気がする……」

「ニラ玉かエビチリか、うーん……気絶するほど悩ましい」

 で、どうするのかと思ったら、

「すみません、ニラ玉とエビチリとライス。あとエビトーストください」

「全部頼む」という解決法。たしかにこれなら気絶しなくて済むが、ずるい。

 

■客が全員注文するメニューとは?

 さっそく出てきたのは「エビトースト」。

 四つ切りにした食パン(耳なし)にエビのすり身的なものを塗り、油でカラッと揚げたもの。

「想像してたのと違う」と、いきなりうれしい誤算。本品もうまそうだが、五郎の想像していた「エビトースト」も気になる。

 そうこうしてるうちに正午を回り、近くのサラリーマンがなだれ込んでくる。

 3人グループのサラリーマンは全員ニラ玉とライス。2人組もニラ玉とライス。さらに後から来た別の2人組がニラ玉丼と、全員がニラ玉だけを欲する異様な状況。

「何? みんなニラ玉? だって『ニラ玉』だよ? いったい何この店?」

 言いたいことはわかるぞ、五郎。だって「ニラ玉」だもん。

 餃子やレバニラなど、いわゆるメインを張る人気者に比べ、ひっそりと野に咲く地味なポジション。そんな「ニラ玉」に今、引く手数多のオファーが。

 そして、その渦中の「ニラ玉」が到着。驚くのはその見た目。

 たっぷりのニラを炒めたその上に、ドーンとでかい卵炒めが覆いかぶさっている。「中華ニラオムレツ」とでも言えばいいだろうか。

 いわゆる我々の知る、ニラと卵が規則正しく入り混じるあの色の配分ではない。真っ黄色の塊の下から少しだけ濃緑がはみ出て見える。

 卵でニラを包むようにして口へ。

「おーーなんじゃこりゃ。ニラ、味が濃い、強い、そして太い」

「野生の裸のニラの旨味だ」

 五郎の顔が至福で歪む。

「これは美味い。注文が殺到するわけだ」

「こんなにもニラの味がダイレクトに飛び込んでくるとは。豚肉もここではニラのサポートに徹してる感じだ」

「卵を一緒に炒めないのはこのためか!」

 一人でどんどん「事件」を解明していく味探偵・五郎。

 別々に炒めているからこそ、一緒に食べた時、味の具合が変化する。口に入れた時、初めて「ニラ玉」が完成する。食べたかのように語らせてもらったが推測だ。

 ついには白米だけを口に入れて「ニラ玉の余韻だけで、ご飯がぐいぐい進む。やっぱり俺は骨の髄から白いご飯至上主義者なんだな」と五郎、自分再発見。白米至上主義者って米国の差別団体みたいで、ちょっと怖い。

 最終的に五郎は「ニラ玉に対する認識がひっくり返った」とまで言っていた。

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