加齢臭の純愛は気持ち悪いだけ……増殖する「純愛勘違いおじさん」の腐臭
#セクハラ
「自分も二十代の若者だと勘違いしちゃう教員は、ざらにいますよ」
そう話すのは、都内有名大学の大学院生。
これまで、美術館で解説を始めるおじさん、仕事で空港に立ち寄るたびにSNSに写真を投稿するおじさんなど、何かと過剰な自意識をひけらかし、嘲笑される「○○おじさん」が、話題になってきた。
そんな中、本サイトの取材班が新たに発見したのが「純愛思い込みおじさん」という存在だ。
先日から、文芸評論家・渡部直己の名前がメディアで取り沙汰されるようになった。渡部といえば、文芸評論家としての実績もさることながら、同じく文芸評論家のすが(糸へんに圭)秀実との共著『それでも作家になりたい人のためのブックガイド』(太田出版)でも知られる人物。
そんな人物が、2008年から教鞭を執っていた早稲田大学文化構想学部の大学院生だった女性から「性的なハラスメントを受けた」として、大学側に苦情申立書を提出されていたことが明らかになったのだ。
各紙の報道によれば渡部は、高田馬場のカフェなどに大学院生だった女性を呼び出し「俺の女になれ」などと迫ったとされている。
渡部は、すでに報道されている内容をおおむね事実であると認めて「過度な求愛だった」と反省の態度を示している。
「大学教員は、その職業柄ゆえに若者と接する機会が多いんです。そこで、得てして自分も若者と同じ気分になってしまうものなんです。本来は、親子ほど年齢が離れているのに、脳内では学年が違う先輩と後輩程度に勘違いしてしまうわけです。おそらく、女性は指導教員としての渡部に信頼を寄せていたのでしょう。その師弟愛を、渡部は恋愛感情と勘違いしてしまったことが、手に取るようにわかりますよ」(都内の大学教員)
仕事の都合で周囲が、自分よりも若い年齢の男女ばかりになってしまう。その結果「自分も、ここにいる女性たちと恋愛の可能性がある」という勘違いに陥ってしまうのは、大学教員に限った話ではない。
「ウチの部署は、比較的年齢が若めで同僚同士でも、よく飲みに行って仕事の相談をしたりして、何かと距離感が近いんです。当然、中年の上司も誘うんですが……仲良くしすぎると、勘違いしちゃうから気をつけないとねと、女子社員同士でよく話し合っています」(都内の会社員)
とりわけ危険なのが、おじさん上司に相談をした時だという。
「そうした相談を持ちかけられる=自分を信頼している=すなわち恋愛感情、と勘違いするおじさんは多いですよ」(同)
「だいたい『自分は妻子もいるから、彼女の愛には応えることが』なんて、言い出したりするんです。加齢臭するおじさんの語る恋愛なんて、気持ち悪い……」(別の大手企業社員)
相談を求愛行動と“誤読”し、あまつさえ青春系純愛とまで勘違いしてしまう、ギャルゲー的な思考。そんな「純愛勘違いおじさん」には、格段の注意が必要だ。
(文=是枝了以)
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