“人民総カメラマン時代”……同窓会の最中に突然死した旧友を、笑って実況中継
2018/07/02 14:00
#中国
カメラ機能が付いたスマホの普及により、誰もが目の前で起こった事件を撮影して、ネット上にアップできる時代。特に中国では、町中でも頻繁にトラブルが発生することから、さまざまな映像が拡散されている。
そんな“人民総カメラマン時代”の中国、目の前で何かが起こると、それがどんなに深刻なことかも判断せずに、撮影してネットにアップするしか考えない人も出てきているようだ。
6月下旬、吉林省にある中学校を38年前に卒業した人たちの同窓会が開かれたのだが、参加した一人の女性がマイクを持ってスピーチをしていたところ、いきなり意識を失い、その場に倒れた。
床に大の字になって倒れている女性の脈を誰かが測ってみると、すでに死亡していた。それでも、スピーチ前から行われていたスマホ撮影は終わらない。撮影していた男性は笑いながら「同級生がくたばっちまった。心臓に病気があったのかもしれない」などとカメラに向かって話している。
そのカメラが周囲を映すと、テーブルでは黙々と料理を食べている人までいる。同級生が目の前で亡くなったにもかかわらず、みんなあまりにも淡々としていた。
これを見た中国のネット民は、いい年をした中年男女たちの態度にあぜんとするばかり。
「同窓会だろ? 旧友が死んだのに、これはなんだ!?」
「この人たちには良心というものがないのか?」
「こんな時に、よく飯を食ってられるな。感心するよ」
同級生の死を撮影して、しかもそれをネットにアップする無神経さ。スマホもSNSも便利なツールではあるが、ネットリテラシーだけは、しっかりと持っていたいものだ。
(文=佐久間賢三)
最終更新:2018/07/02 14:17
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