「黒ひげ危機一発」の限界に”バネの神様”が挑む! バラエティ版『下町ロケット』がアツかった
6月14日深夜に放送された『限界突破!!~プロの本気で常識を超えるんじゃ~』(日本テレビ系)が、泣かせる番組だった。“バラエティ版『下町ロケット』”とでも呼びたくなるほど、日本の中小企業の技術力をフィーチャーしたコンセプト。それでいて切り口が妙にバカバカしいのが、逆に良かった。
■「黒ひげ危機一発」のジャンプ力を異常なレベルにした日本の技術力
樽に剣を刺し、ハズレの刺し口だと黒ひげ君(海賊)がジャンプするおなじみの玩具「黒ひげ危機一発」。これ、通常ならばジャンプの飛距離は約10センチメートルだそう。この玩具に注目して樽の中のバネを交換、飛距離を130センチメートルにまで伸ばしたユーチューバーがいるという。果たして、ジャンプの高さの限界値はここなのだろうか……?
番組は横浜の某バネ会社にコンタクトする。彼らは、国内外の製品のためにバネを製作するスペシャリスト集団である。企画の目的は、黒ひげ君のジャンプ力を伸ばすこと。製作期間2週間で、樽や黒ひげ君の大きさを変えず、バネの力のみで飛距離を伸ばすことができるか? まさに、日本の技術力の見せどころだ。
担当するのは“バネの神様”と呼ばれる男。日本の中小企業の技術者が汗水垂らしながら「黒ひげ危機一発」に向き合う姿は、異様だった。彼はまず、この企画に向けて太さ2ミリメートルの特製バネを製作する(通常は0.6ミリ)。加えて、黒ひげ君の跳ね返りの衝撃で特製バネが壊れないよう、それを覆うオール金属の筒も製作。これらの装備を施し、満を持して試技に入ると、黒ひげ君の飛距離は約3メートルを記録! 十分すごいと思うのだが、技術者の表情は苦かった。
「失敗です。自分の目標としてはまだダメですね」
その後、会社帰りに浴びるほど酒を飲む技術者。プライドが透けて見えるではないか。
「バネの力が出し切れてない。やっぱり、日本の中小企業をナメちゃあかんよ。世界に見せつけたいですね」
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