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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > “新世代の三谷幸喜”上田監督が語る
ゾンビ映画かなと思ったら、実は映画愛溢れるコメディ快作だった!!

『カメラを止めるな!』に騙される人が続出中!? “新世代の三谷幸喜”上田慎一郎監督インタビュー

■流行に左右されない、100年後に観ても面白い映画

──『ワンカット・オブ・ザ・デッド』は日暮ディレクターの奥さんや娘がアシストすることで、カメラを止めることなく撮影が続くことになる。上田監督の奥さまは、アニメ映画『こんぷれっくす×コンプレックス』(15)のふくだみゆき監督。ふくだ監督の協力も大きかったのでは?

上田 とても大きかったです(笑)。物理的なことで言えば、『カメラを止めるな!』のタイトルロゴやポスターなどのビジュアルは、彼女がやってくれました。衣装なども、相談して決めています。女性はこういう場でピアスは付けないとか、そういう細かい点は、男ではなかなか気づきません。あと、いちばん大きなのは僕のメンタルケアですね(笑)。

──それ、とても大事ですよね。

上田 ハハハ。やっぱり外でイヤなことがあって、落ち込むこともあるわけです。でも、家に帰って話し相手がいるのは、すごく大きい。「実は今日はこんなことがあってさ~」と話しているうちに、だんだんと笑い話になっちゃうんです。精神衛生上、とてもいいですね。脚本もその都度、いちばん最初に読んでもらっています。妻は遠慮がなく、面白くないときはハッキリと「面白くない」と言ってくれるので、有り難いですよ。『カメラを止めるな!』には当時生まれて数カ月だった息子も出演しています。脚本を書いているときに、夜泣きがすごくて、そのときの体験を脚本に活かしました。『カメラを止めるな!』は妻と息子なしでは完成しなかった映画です(笑)。

──クラウドファンディングで製作された本作ですが、HP上の「100年後に観ても おもしろい映画」という上田監督のスローガンが印象に残ります。

上田 最近起きた事件や事象を追い掛けて映画を撮るというよりは、50年や60年経っても楽しんで観てもらえるような娯楽作品を追求したいなと僕は考えているんです。映画そのものの面白さが真ん中にあるような普遍的な映画を、これからも撮っていきたいですね。
(取材・文=長野辰次)

映画の後半で明かされる撮影の舞台裏。バカバカしいB級映画ながら、その影にはスタッフ&キャストの涙ぐましい努力があった。

『カメラを止めるな!』
監督・脚本・編集/上田慎一郎
出演/濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ、長屋和彰、細井学、市原洋、山﨑俊太郎、大沢真一郎、竹原芳子、吉田美紀、合田純奈、浅森咲希奈、秋山ゆずき 
配給/ENBUゼミナール・シネマプロジェクト 6月23日(土)より新宿K’s cinema、池袋シネマ・ロサにて劇場公開
(c)ENBUゼミナール
http://kametome.net

●上田慎一郎(うえだ・しんいちろう)
1984年滋賀県出身。中学・高校の頃から自主映画を制作。2010年から映画製作団体PANPOKOPINAを結成。主な監督作に、短編映画『テイク8』(15)、『ナポリタン』(16)など。オムニバス映画『4/猫』(15)の一編『猫まんま』で商業デビュー。『カメラを止めるな!』で劇場長編デビュー。同級生のわき毛が気になって仕方がない女子中学生を主人公にした、ふくだみゆき監督のアニメ作品『こんぷれっくす×コンプレックス』(15)ではプロデューサーを務めている。

最終更新:2018/07/24 09:36
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