土下座事件も今や昔……安室透効果で人気の『名探偵コナン』公式の優しさも広がる一方
#映画 #アニメ
『名探偵コナン』が妙な盛り上がりを見せている。公式によるファンを取り込むさまざまな施策には「隔世の感を禁じ得ない……」と、遠い目をする人も多い。
すでに長寿連載になっているマンガ『名探偵コナン』(小学館)が再びの盛り上がりを見せたのは、劇場版アニメ『ゼロの執行人』が公開されてから。今回の劇場版でカギを握る人物となる3つの顔を持つ男・安室透が、突如女性ファンの中で人気を呼んだのである。
いつも、子どもから大人まで楽しめる手堅い構成となっている『名探偵コナン』の劇場版。もとより、ファンの多かった安室透だが、今回は製作側も予想だにしなかった盛り上がりだ。
とりわけ、安室の本名が降谷零であることから、全国でも30人ほどしかいない名字である降谷の印鑑がバカ売れするという珍騒動も起きている。
さらに『ゼロの執行人』のTwitterアカウントでは、応援上映の時の心得として「執行して」などの、うちわやペンライトなどの応援グッズの持ち込みを推奨している。
いったい、いつから『名探偵コナン』は、こんな大人な(推定)のファンにサービス満点な作品になったのか。長年のファンである女性は目に見えて変化したのは、2年ほど前からだという。
「大阪COMIC CITYに『週刊少年サンデー』(同)が、出張編集部を出展した時に『コナンの同人誌がアツい!』とTwitterでつぶやき話題になったことがありました。それまで、長いこと『名探偵コナン』の同人誌は、公式に知られると危険なものと思われていたのですが……」
『名探偵コナン』の同人誌は公式には絶対に知られてはならないと、ファンの間で認識されていたのは2005年に発生した「土下座事件」が発端。ある同人誌サークルが小学館側から著作権侵害であると内容証明を送付され、損害賠償を支払うという事件があったためだ。
それから10数年が過ぎ、出版社の対応や同人誌やファンを取り巻く状況もガラリと変化。主出版社側はむしろ、あらゆる手段を用いて手堅いファンを取り込む方向へとシフトしているようだ。
実際、安室透を表紙にした「少年サンデーS」6月号と7月号は、完売し重版が決定。長寿連載でありながら、いまだにファンが増える希有な作品ゆえに、なんでもウェルカムにする姿勢は正しい。
(文=大居候)
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