「手数料もあこぎ」なLINEスタンプ、少々売れてもクリエイターは儲からない“悲惨な実情”
#LINE
華々しい数字とは裏腹に、まったく稼げない……。
登場から4年を迎えた「LINEクリエイターズスタンプ」の作者泣かせな実情が明らかになってきている。
誰でもLINEスタンプを制作・販売できるプラットフォーム「LINE Creators Market」が登場したのは、2014年の春。今では、登録クリエイターの数は世界で150万人あまりに成長。4年間の販売総額は530億円。売上上位の10人の平均販売額は、累計6億4,100万円を記録している。
絵の描ける人なら手軽に稼げる方法。ともすれば、爆発的なヒットができるかも……と、取らぬ狸の皮算用のひとつでもしたくなる「LINEクリエイターズスタンプ」。だが、わずかな上位の輝かしい金額とは裏腹に、多くのクリエイターにとっては「売れても稼ぐことができない」ものとなっている。
「ここ3年ほどで、5万個ほどは売れています、けっこう頑張ってると思うのですが……」
そう話すのは、シュール系ギャグを得意とする漫画家のK氏。K氏は3年前に単行本の発売にあわせて「LINEクリエイターズスタンプ」で、自信のキャラクターのスタンプを販売することにした。
「1個売れるごとに通常は37円がクリエイターの収入になります。LINEウェブストアから購入された場合は1個50円になるそうですが、そんなところから買う人はいないですよね」
ちなみに販売価格は150円。諸々の諸経費を引かれた末にクリエイターに入るのは37円というわけだ。
37円×5万個で、収入は185万円。となると、多いように見えるが、3年で割ると1年あたり約61万円。月額で約5万円。
労働せずとも毎月5万円が振り込まれるのはオイシイように見えるかもしれないが、キャラヴァリエーションを生み出すために要する時間からすると、まったく報われない数字だ。
「ちなみに、売上を引き落とすときにも600円くらいの手数料がかかるんです。でも、LINE Pay(ペイ)にすると手数料がタダ! あこぎだと思いますよ」
この上、確定申告をする手間もあることを考えれば、LINEという会社のためだけにスタンプを売っているようなものだ。
とはいえ、話を聞いたH氏は、単行本を出版している漫画家でもあり、まだ売れているほう。
さらに底辺なクリエイターあたりは「まったく売れない、儲からない」という人が多数いる。
小銭でもいいから収入がほしい。その程度に目標を設定しなければ「LINEクリエイターズスタンプ」はオイシくないようだ。
(文=是枝了以)
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