今夜最終回! 岩田剛典主演『崖っぷちホテル!』残念すぎるクライマックスに絶望中……
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■最重要だったタキシードも、ぬるっと。
さらに、タキシードについてもそうです。今回、なんだかんだで悪天候のために一度、宇海くんは花火の打ち上げをあきらめます。その際、客に謝るためにタキシードを着用します。バリストンでは、客に謝るためにタキシードを着ようとしたら、失神したそうです。でも、インヴルサでは着られた。
これでは、宇海くんの根っこの部分に、差別があることになってしまう。バリストンの客に謝ることより、インヴルサの客に謝ることのほうが大切・重要・価値があることになってしまう。あのときのバリストンの客が大切じゃない・重要じゃない・価値がないことになってしまう。
宇海くんにとって「タキシードが着られない」というのは、ホテルマンとして唯一の欠点だったはずです。この欠点の克服こそがドラマのクライマックスであり、主人公である宇海という人物がいったい誰で、どう生きてきて、今後どう生きていくかのすべてを象徴するはずだったんです。ドラマが全部「そう」あるべき、という話ではなく、『崖っぷちホテル!』が9話かけて「そうですよ」と言い続けてきたことなんです。
だから宇海がタキシードを着るくだりは、全話中テンション最高潮でなければならなかった。アイドルである岩ちゃんが主人公なんだから、タキシード姿の岩ちゃんが超最高に光輝く段取りを踏まなければならなかった。
それが、なんかもう、ぬるっと処理されてしまいました。いつの間にか着てるし、なんかよくわかんない“着られた理由”らしきことも、セリフでちょっと言うだけだし。
まあ白状してしまえば、わたしはこのドラマ、好きだったんですよねえ。品があって楽しくて、なんだったら各話のエピソードが平易で“ガツンとこない”ところも好きだったんですよ。平和で、丁寧で、フツーに面白い。マジメに作っていると感じていたし、何より岩ちゃんが演じる宇海という人物が好きだったんです。
わたしの好きだった宇海くんはね、例えば宇海くん以外の誰かが「俺の夢だから暴風雨でも花火やるから!」とか言い出しても、「もっと客の喜ぶことを考えろ」と言う人ですよ。「本当に今、この客は花火を望んでいるか?」と、考える人です。あの宇海は、どこへ行ったのか。
■悪い予感はしていたみたい
そういうわけで、今夜が最終回です。7話以降、絶望的につまらなくなった『崖っぷちホテル!』ですが、思い起こせば第1話のレビューでは、基本的に「面白い面白い」と絶賛しつつ、こんなことを書いてました。
「このドラマは面白くなりそうというか、たぶんなると思う、なればいいかな、まあコケる覚悟はしておきますけど」
まあ実際、脚本は見事にコケたなーという感じですし、もはや宇海という人物に明確な過去や未来が設定されているかどうかも疑わしいところですが、最終回も見るのは見ますよ。そんで、感想を書くのは書きますよ。はい、残念でした。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
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