こんな時代もあった! 「働き方改革」の真逆を行く、お仕事大好きマンガ『働きマン』
#本 #マンガ #ザオリク的マンガ読み
「あたしは仕事したなーって思って死にたい」
「仕事で失ったもの、それを想い泣いた夜、でも仕事に救われる朝もあるから…」
「やれない理由を聞いてるんじゃなくて、どうやるか聞いてるんだ」
「若いのに、楽な仕事してんじゃねえよ」
などなど。実に熱いセリフですよね。でも今のご時世、本当にこんなこと言ったら、ブラック企業だとかパワハラだとか批判されかねません。時の移り変わりは価値観をここまで変えてしまうのです。
主人公の弘子がこんなキャラクターなので、全体的にさぞかしブラック企業体質なマンガなのかと思いきや意外とそうでもなく、周囲のキャラクターはむしろ自分流を貫く、あんまり「仕事しない」人が結構出てきます。当時、率先して「働き方改革」を実践していたヤツらといえます。ではこれから、『働きマン』作品中で最高に「働かないマン」のベスト3を発表しましょう。
■田中邦夫(たなか くにお)
編集部の新人類。趣味はファッション。できるだけ要領よく仕事をこなして、プライベートを大事するというスタンスなため、弘子には目の敵にされています。
「仕事終わってみんなで…みたいのが苦手。飲み行ってまで説教されたくねーっつーか。」
「オレは『仕事しかない人生だった』そんな風に思うのはごめんですね。」
うん、わかるわかる! 仕事の時間を1秒でも少なくして帰社したい僕のような人間には、こういう考えのほうが共感できます。「働き方改革」な今こそ、彼みたいなスタンスは評価されるのかもしれません。
■梅宮龍彦(うめみや たつひこ)
週刊「JIDAI」の編集長。かつて、大ニュースになった記事をいくつも生み出した凄腕編集者でしたが、「JIDAI」の全盛期が終わり、発行部数が半分になったところで編集長に据えられ、プライベートでは妻子と別居中。勤務時間中に他の社員に黙ってフラッと外出し、姿をくらましたり。やる気があるのかないのか、よくわからない感じです。
「オレは忙しーんだよ!! 鳥のエサ買いに行ったり、クリーニング屋行ったり、ゴミ出ししたり……」
「勢いだけがこの世で必要とされてるわけじゃない。侘びしい夜も侘びしい人もあっての世の中だ」
などなど、元凄腕編集者とは思えない、だいぶ枯れた感じになっています。しかし、いざ仕事モードになると弘子に対し、
「例の記事、お前好きなように書け、責任とってやっから」
みたいな編集長らしいセリフも。仕事はしないが、責任は取る男――人望のある上司とは、案外そういうものかもしれません。
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