岩田剛典『崖っぷちホテル!』視聴率は7.8%安定も「崖っぷちにいるんじゃなく、すでに……」
#ドラマ #日本テレビ #どらまっ子AKIちゃん #岩田剛典 #どらまっ子 #崖っぷちホテル!
で、今後何をするんだろうと思って待っていたのが第8話。
なんか突飛な設定の外国人が登場し、適当に課題が建て増しされ、適当に解決されました。宇海くんの“導き”も、もうその心に寄り添うべき従業員はいないので、単なるノウハウの伝授にすぎません。答えを直接教えちゃったらドラマにならないから、なんとなくヒントっぽいものを与えて、よく訓練された従業員が正解を出す。しかも、ヒントと正解も、全然ピンとこない。
外国人の客が「ベッドメイクができてない!」と不満を述べ、宇海くんが「ワクワク働こ!」と言い、フロントマンがベッドにハスの葉をばら撒く。客、満足。
何それ。
客が「部屋に大きいテレビを持ってきて」と注文し、なぜか客室係がなかなか持っていかず、宇海くんが「ワクワク働こ!」と言い、頼まれてもない母国の衛星放送(?)の契約をする。客、満足。
何それ。
ちゃんと具体的な希望を述べない客のコミュニケーション不全にも共感できないし、従業員たちの異常な察知能力(もはやテレパシー)にも共感できない。出来の悪いクイズ番組で、八百長で答えを知っている回答者を見ているみたい。
最後は停電になって、寄せ鍋を食わせて、客満足。何それ。しらねーし。全部おめーらの都合だし。
■唯一、残っていた財産も雑に処理されました。
第2話のレビューで、こんなことを書きました。
「また、ここまでスーパーポジティブなハルちゃんにも今後、波乱が訪れるとすれば、それは物語の大きな振り幅になると思います。中盤の盛り上がりを支えるのは、もしかしたらハルちゃんかもしれません。」
ホテルが再生を目指す中で、唯一、宇海の薫陶を必要としなかったのが、若き天才シェフのハルちゃん(浜辺美波)でした。最初から才能にあふれ、やる気にあふれていたハルちゃんは、ともすれば宇海とともに“導き”を与える側ですらあったわけです。
だからこそ、ハルちゃんの内面(あるいは暗黒面)が描かれることがあるとするなら、それはドラマにとって大きな展開を生む要素になり得ると感じていたのです。それは、『崖っぷちホテル!』に残された、数少ない財産だったと思うんです。
それも今回、いかにも雑に処理されました。「元気印だって、落ち込むことはあるのよね」みたいな2~3のセリフ、数分のシーンでパパッと描かれ、ドラマそのものの都合に飲み込まれていく。展開の「役割」に埋没していく。ハルちゃんという一人の人物が「殺された」とさえ感じられる、残酷な処理。
こっちもすごく雑な言い方をさせてもらえば、三谷幸喜はこんなことしないんですよ。物語上の役割が終わったキャラクターにも、最後まで寄り添おうとするんです。そういうとこだと思いますよ。次回もきつそうだけど、最後まで頑張ります。頑張りましょう。はい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
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