長嶋一茂、突然のブレークの裏に”ちょうどいい”ニ世タレント感?
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■最初の転機は『からくりTV』の終了と“落書き事件”
一茂の代表番組といえば『さんまのスーパーからくりTV』(TBS系)だろう。98年から16年間、レギュラー出演し続けたが、2014年9月に番組は終了した。
業界にいる肌感覚で言うと、一茂に対する期待値は、それ以前はそこまで高くはなかった。理由のひとつはまず、偉大なる父・茂雄の話をしたがらなかったということだ。スーパースターを父に持つ彼のエピソードはどの番組も渇望していたのだが、当時父との確執が表面化していたこともあり、業界側も触れられずにいたのだ。
ちなみにこの確執とは、田園調布の長嶋邸に保管されていた茂雄ゆかりの品を一茂が無断で処分したり、茂雄の権利を独占するなど、何かとミスターに介入していたことから、父が息子に半ば絶縁を言い渡していた……といったことだ。
だが、長寿番組のレギュラーの仕事がなくなるということは、『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)なき今、鈴木紗理奈や雛形あきこらがゲスト出演に奔走しているように、タレントの生活にとっては大打撃。一茂が、『ワイドナショー』(フジテレビ系)に初めて出演したのはその年の年末のことだった。
また、ちょうどこの時期、一茂が再注目されたのが、江角マキコの元マネジャーによる落書き事件だ。最終的には江角の芸能界引退と大騒動に発展したが、一茂にとっては、ひとつネタになる話が出来たということになる。
■二度目の転機は父との完全な決裂
二度目の転機は16年ごろに発覚した、読売巨人ジャイアンツの「野球振興アドバイザー」の契約解除だ。彼は05年から「球団代表特別補佐」に任命され、スポークスマンとして活動しており、11年からは「野球振興アドバイザー」という肩書で、父・茂雄を名誉校長とする野球スクール「ジャイアンツアカデミー」でも子どもたちに指導していた。ところが16年ごろ、その任を解かれている。これは、父と完全に決裂したことを意味する。
逆を言えば、それまでは何かとセンシティブだった茂雄の話が解禁できるようになったということになる。つまり起用する側も、すべて解禁してくれるようになった一茂をより気兼ねすることなく使えるようになったのだ。
■重宝される最後の理由
さらに重宝される背景として、ここ最近、頻発する新・二世タレントのトラブル、スキャンダルも遠因にあるだろう。
高畑裕太や、橋爪功の息子・遼、さらには坂口良子の娘・坂口杏里や石田純一の息子・壱成と、必ずしも良いイメージではとらえられていない。そんな中、すでに「二世タレント」としては大ベテランではあるが、取り立てて大きな問題を起こしたわけでもないという長期安心保証は、何にも代えがたい武器だ。また、それでいながら父子の確執や落書き事件といった、必ずしもイメージが真っ白、クリーンではないという点もまた、彼に新たに加わった魅力だろう。まさに向かうところ敵なし。一茂の快進撃はしばらく続きそうである。
(文=都築雄一郎)
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