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日刊サイゾー トップ > 社会  > 朝鮮の緊張緩和で高まる“旅のロマン”

早く首脳会談してくれ! 朝鮮半島の緊張緩和で高まる“旅のロマン”

『鉄馬は走りたい――南北朝鮮分断鉄道に乗る』(草思社)

 アメリカ側が中止の意向を示し、再び緊張感の高まる朝鮮半島。水面下では協議が続いていることも報じられ、その動向はなお不透明だ。

 ただ、米朝ともに緊張緩和は規定の方針。それに向かうまでの道のりとして国民へのパフォーマンスをしているに過ぎないという見方もある。

 朝鮮半島の緊張緩和の動き。それには、さまざまな人がそれぞれの熱い視線を送っている。鉄道マニアも、そうである。4月に北朝鮮と韓国によって実施された「板門店宣言」において、南北の鉄道と道路をつなぐことが明記されたからである。

「これまで南北を分断してきた鉄道が接続されることへの期待は高いです。なにしろ、釜山から鉄道でヨーロッパをはじめユーラシア大陸の各地へといくことができるようになるんですから」

 そんな熱い想いを語るのは、これまでも世界の鉄道を旅してきた鉄道マニア氏。彼をはじめ、多くの鉄道マニアやバックパッカーまでもが期待を寄せるのは、現在は分断されているソウルから北朝鮮の新義州を結ぐ京義線が、接続・再開されることだ。

 戦前、この路線は南満州鉄道からシベリア鉄道へも接続する国際路線の一部であった。まだ、航空機の発達していない時代、この路線は日本とヨーロッパとをつな重要な路線。当然ながら販売されている切符には「東京発ロンドン行き」のようなものもあった。

「もちろん、現代では移動手段としては重要なものではありません。でも、鉄道旅行のロマンが広がるのは確かです。なにしろ、シベリア鉄道経由でヨーロッパだけではなく、中国経由で中東方面へも……」(前同)

 緊張緩和により広がる旅のロマン。しかも、期待しているのは鉄道利用者だけではない。

「道路も整備され接続することになれば、自転車やバイク、あるいは徒歩やリヤカーなど、さまざまな手段でユーラシア大陸の横断に挑戦する人も出てくるのではないでしょうか」(バックパッカー経験者)

 旅のロマンがかき立てられる。そのためだけに、朝鮮半島の緊張緩和が望まれる。
(文=是枝了以)

最終更新:2018/05/31 23:00
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