「本気でヤツらを殺したい……」中国人留学生、台湾人への殺害予告で大学を退学処分に
#中国 #台湾
経済発展に伴い、海外へ留学する中国人は年々増加しているが、中国教育部(日本の文部科学省に相当)の発表によると、2017年の留学生の数は前年比11.74%増の60万8,400人に達する。
それだけいれば、中には学生の本分を忘れ、世間を騒がせる困った留学生もいる。オーストラリアに留学しているC.N.Hsu(シー・エヌ・スー)さんもそんな一人だ。
「ETtoday」(5月20日付)など台湾や香港のメディアによると、江蘇省南京市出身のスーさんが台湾人に対する殺人予告を行い、大学を退学させられた。彼女は10日、自身のFacebookでこんな投稿をしていた。
「われわれの大学に留学している台湾独立派はみんな“自分は中国人ではない”と言う。本気でヤツらを殺したい。台湾は、(ニクソンが訪中した)1972年に中国共産党(政権)が(国際社会に)承認された時点で独立。香港は、97年に英国軍が撤退した時点で独立。オーストラリアでは、香港、マカオ、台湾は独立した国家として認識されていると聞いて、ムカついた」
この投稿は台湾人留学生によって大学側へ通報され、彼女には退学処分が下った。さらに精神疾患の疑いがあるとして、メンタルリハビリテーション施設に数日間、入院することとなった。
この件が報道されると、スーさんはFacebookで、「殺すというのは、ただの冗談だった」と釈明している。
しかし彼女が奇妙なのは、台湾の独立に反対している一方で、中国共産党のことも認めていないことだ。彼女は、自らを「オーストラリア中国国民党議員」と称し、祖国は中華民国だと主張している。つまり、国共内戦で共産党に敗れて台湾へと逃れた国民党こそが、中国の正統な統治者だというのだ。それゆえに台湾の独立は認められず、「中華民国台湾省」が正しい呼称、というのが彼女の主張だ。
学生としての在留資格を失った彼女は今後、中国に送還される可能性が高い。しかし、共産党の正統性を明確に否定している彼女は、中国当局に拘束される危険性もある。
軽い気持ちで行った発言で、中国も台湾も敵に回してしまい、留学先からも追われることになってしまった彼女の運命やいかに……。
(文=中山介石)
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