トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 蒼井優のビンタが快感『宮本から君へ』

池松壮亮&蒼井優の初共演は伝説の大コケ映画!? 猪木ばりのビンタが快感『宮本から君へ』第7話

テレビ東京系『宮本から君へ』番組サイトより

 池松壮亮は人間台風です。カンヌ映画祭パルムドールを受賞した是枝裕和監督の『万引き家族』(6月8日公開)では、ちょい出演ながら印象的なシーンに登場。主演映画『君が君で君だ』(7月7日公開)では尾崎豊へのなりきり演技を披露。日本映画界を揺さぶる存在に成長を遂げつつあります。そんな彼が、現実と理想の狭間で悶え苦しむ若者像を等身大で演じているのが『宮本から君へ』(テレビ東京系)です。社会人になって間もない主人公・宮本浩が、人生最大の壁にぶつかる第7話を振り返ってみましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 宮本浩(池松壮亮)は都内の弱小文具メーカーに勤める新人営業マンです。いつもはみんなで居酒屋へ繰り出すアフターファイブですが、最近はちょっと様子が変わりました。大手製薬会社へのクリアファイル大量納品をめぐり、宮本は先輩営業マンの神保(松山ケンイチ)と小田課長(星田英利)と残業中です。3人で顔を突き合わせて、せっせと見積書を書き直しています。宮本にとっては初めての大仕事であり、退職が決まっている神保にとっては最後の仕事になります。大手文具メーカーに勤めるライバル・益戸(浅香航大)との競合ということもあって、神保も宮本も鼻息が異常なほどに熱いです。以後、この2人は“熱風ブラザーズ”と呼ぼうと思います。熱風ブラザーズは弱小企業に奇跡をもたらすことができるのでしょうか?

 見積書を書き直しただけでは熱気が収まらない宮本は、神保のマンションにまでついてきます。神保のマンションでは、内縁の妻・緑ちゃん(北川裕子)と神保と共にコンピューター会社を設立する重松(板橋駿谷)が夕食の準備をして待っていました。緑ちゃんも重松も、いつもヘラヘラ顔だけど心の中に情熱をたぎらせている神保に惚れ抜いています。神保を師匠として仰いでいる宮本も、この輪の中にすんなりと溶け込むのでした。かつて益戸は文具店でバイトしていた緑ちゃんのことをブス呼ばわりしたそうです。許せません。益戸をぎゃふんと言わせてやろうと、大いに盛り上がる熱風ブラザーズとその仲間たちでした。

 入札を直前に控え、熱風ブラザーズは熱帯低気圧から大型台風へとますます勢力を増していきます。入札価格を赤字ギリギリまで下げたいという宮本の主張を岡崎部長(古舘寛治)は渋りますが、神保が巧みに「製薬会社との太いパイプができますよ」とアシスト。宮本の突貫小僧ぶりと神保の老獪なインサイドワークで、熱風ブラザーズは抜群のチーム力を発揮するのでした。人事を尽くして天命を待つ。熱風ブラザーズは、いよいよ入札に臨みます。

 益戸がひと足先に製薬会社へのプレゼンを終え、続いて熱風ブラザーズの入場です。製薬会社の販売促進部・峰岸(村杉蝉之介)へのあいさつを済ませた宮本は、峰岸が最近凝っているらしいコンピューターのソフトに関する手づくり資料をお土産として手渡します。益戸は先ほど、新品のソフトを持ってきたそうです。プレゼンの場に立ち合う「ワカムラ文具」の島貫(酒井敏也)は「雲泥の差だね」と鼻で笑います。思わず頭に血がのぼる宮本でしたが、ここは神保がうまくフォロー。「言葉や人との繋がりで得る力を僕は信じています」と爽やかな笑顔で、熱風ブラザーズとしてのフェアな戦い方をマイクアピールします。プレゼンを初めて経験する宮本には、とっさに出てこない台詞でした。現場経験が豊富で、しかも信念を持った営業スタイルを貫くタッグパートナーを頼もしく思う宮本でした。

 全力で30分一本勝負のプレゼンを戦う熱風ブラザーズでしたが、神聖なはずのリング、いや入札の場で不正が横行していることに気づきます。儲けの薄いギリギリの入札価格で見積もり書を提出していた熱風ブラザーズでしたが、ライバルの益戸はそれをほんの僅かに下回る価格を提示していたのです。益戸に肩入れしている島貫が、事前に情報を漏らしたに違いありません。勝負あった、でした。自分の力ではどうしようもない、理不尽な大人たちのやり口に憤慨する宮本ですが、どうしようもありません。現実社会の大きな壁にぶつかり、熱風ブラザーズは決勝のリングに上がることなく、予選敗退が決まったのです。

12
ページ上部へ戻る

配給映画