故・朝丘雪路さんのスゴすぎる“お嬢様伝説”!「傘も持たない」「硬貨を知らない」「自販機に話しかける」
アルツハイマー型認知症のため療養していた女優・朝丘雪路さんが、4月27日に死去していたことがわかった。82歳だった。朝丘さんといえば仕事上だけでなく、私生活でも常に一緒に行動する付き人がいることで有名だった。
高名な日本画家・伊東深水の娘として溺愛された“超お嬢様”の朝丘さんには、小学校のときから養育係が付き添い、おやつを食べるときも手を汚さないよう係が口に運んだといわれる。雨が降っても「指をケガする」と自分で傘を持つことは止められ、中学生になっても、ひとりで通学できなかったという。ただ、宝塚歌劇団を経て人気女優となってからも、その浮世離れした発言が、バラエティ番組で大ウケだった。
「番組出演やロケの時に関係者を驚かせたのが、引き連れたスタッフの多さ。マネジャーや付き人だけでなく『お話相手』なんて係の人までいた」と、テレビ関係者は語る。
「彼女は結婚するまで自分でお金を払って買い物をした経験が一度もなく、1万円札しか使わないので、硬貨をお金と思っていなかったほど。だからショッピングにも付き人が必ず同行したそうです。洗濯機や電子レンジなど、日用の電気製品すら使い方がわからないままだったとも聞くので、自分じゃ何も考えなくていいような人生を送っていたんでしょう」(同)
当然、女優の仕事に出かける際にも付き人は欠かせず、現場でセリフを覚えるためのスタッフが2~3人、常に付き添っていたという。かつて住んでいた四谷の自宅マンション付近では、自動販売機に「お茶をくださる?」と話しかけるなど、まさに国宝級の「世間知らず」だったわけだが、その原因となった親の過保護には、別の理由もあったという説がある。
「実は、父親が過保護にしたのは理由があって、妾との間の子であったために『芸がなければ、体を売る娘になってしまう』と将来を心配し、ほかのことを一切やらせず、徹底して芸能人への道を歩ませたらしいんです。だから、お嬢様なのに箸の持ち方もきちんとしていなかったんです。しかし、結局は父親の望み通りに、女優や歌手としては一流になったのですから、ある意味、英才教育だったといえるのでは」(同)
世間知らずのお嬢様という芸能人はほかにもいるが、下手すれば“おばか”扱いされるところ、朝丘さんの国民的人気が続いたのは、その上品さや、夫の津川雅彦氏が「こんな絶滅危惧種のお嬢様は、俺が一生守らなくてはと思った」と、これまた彼女のキャラクターを愛したからでもあったのだろう。
「13年ごろからセリフが覚えられなくなるなど、認知症の兆候があったという話です。その頃の彼女は深夜番組の街角リポーターまでやっていたんですが、それはお金のためじゃなく、本人が『楽しい』と言って続けていた仕事だったそうです。最高に幸せな人生だったと思いますね」と関係者。
昭和の大物女優をまねて、無駄に付き人をゾロゾロ連れて闊歩する人気タレントはいるが、朝丘さんのような生粋のセレブ感を持った人はなかなかいないだろう。芸能界がまた少し寂しくなった。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)
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