「赤い公園」新ボーカルに、元アイドルネッサンス・石野理子! 彼女の魅力の根源にあるもの
#アイドル #プレヤード #アイドル深夜徘徊
5月4日、さいたまスーパーアリーナで開催された音楽フェス『VIVA LA ROCK 2018』において、ガールズバンド「赤い公園」の新ボーカルが発表された。会場に集まったファン、そして「GYAO!」による生配信を視聴していた全国のファンが、かたずをのんで見守る中登場したのは「アイドルネッサンス」でセンターを務めていた石野理子だった。
そのニュースは、驚きを持って拡散され、「石野理子」はTwitterのトレンドワードに躍り出た。それは、赤い公園、アイドルネッサンス、双方のファンが待ち望んだ、とてつもないビッグニュースだったのだ。
「アイドルネッサンスがいない世界が始まるんだ」
今年の2月24日、アイドルネッサンスの解散ライブを終えて、私はそんなことを思っていた。それくらい、圧倒的な存在感のあるアイドルグループだった。解散ライブでも、メンバーの今後について語られることはなく、彼女たちも、私たちファンにとっても、これから一体どんな世界が始まるのか、考えあぐねていた。
もしかしたら、昨年8月にボーカルの佐藤千明が脱退し、今後の展開が見えていなかった赤い公園のファンも、似たような気持ちだったのかもしれない。
赤い公園は、2012年にメジャーデビューしたガールズバンドで、ギターの津野米咲が作る個性的な楽曲と、パワフルなライブパフォーマンスで人気を集めている。津野はSMAPやモーニング娘。’16、ベイビーレイズJAPANなどのアイドルにも楽曲提供するほか、自身も「アイドル好き」を公言しており、今回の石野の加入は、ある意味自然な流れだったのかもしれない。
一方、石野の所属していたアイドルネッサンスは、14年にデビュー。大江千里や村下孝蔵といったアーティストの過去の名曲をカバーする「名曲ルネッサンス」を掲げ、そのクオリティの高い歌とダンスでアイドルファン以外にも支持と注目を集めていた。
各々のメンバーカラーを配した派手な衣装や、振り付け、前にグイグイ出ていく個性的なキャラクターなどが多かった当時のアイドル界で、アイドルネッサンスのメンバーはある意味異色だった。
全員が同じ真っ白な衣装、身にまとったどこか純朴な雰囲気、控えめな性格。しかし、ひとたびステージに上がれば、圧倒的な存在感で見る者を魅了する、そんなところが多くのファンを惹きつけた。彼女たちからは、いわゆる“現代の若者”が失いつつある純粋さと、神聖さが感じられたものだった。
そんな中、当時から、石野理子の歌唱力は群を抜いており、グループ内のみならず、アイドル界全体で見ても、貴重な存在だった。ある意味「カリスマ」と言っていいかもしれない。
石野は、広島県出身・在住で、アイドルネッサンス時代も、毎週末東京まで通って活動していた。中学・高校という多感な時期、東京へと向かう新幹線の中で、彼女は何を思ったのだろう。いろいろな事情があってのことであろうが、地元に住み、東京へ通っていたという活動スタイルは、彼女の感性に大きな影響を与えていたと思う。
では一体、ここまで私たちを惹きつける、石野理子の魅力とはいったい何なのだろうか?
アイドルに限ったことではないが、「歌が上手い/下手」というのは、単に「楽譜通りに歌える」とか「声量がある」というのとはまた違った側面があると思う。大げさな言い方をすれば、その人が背負っているものを吐き出し、聴く人がそれに共鳴するかどうかではないか。だから、「上手い/下手」というよりは、「自分に合う/合わない」もしくは「好き/嫌い」で判断すべきことなのだろう。
その意味で、私は石野理子の歌がとても好きだった。ただ、「アイドルネッサンス」というグループを知り、ライブに行くようになってからも、その理由を正確に把握することができず、「一体彼女のどこが魅力なのだろう?」と問い続けていた。
そんな思いを抱いていた昨年の夏、彼女が期間限定のTwitterを始め、ちょっと世の中を斜に見たようなつぶやきをした時、その正体が少し見えた気がした。
私が現在見えてる世界と、私の生活圏以外で世界がちゃんと動いているのか心配になります
これはTwitterの醍醐味であるただの『呟き』なので、共感とかは結構です☺️— 石野理子 アイドルネッサンス@ishino_ir) 2017年8月4日
今日の特典会で始めたばかりのTwitterのこと沢山の大人に馬鹿にされたので、もうちょっと若者の考えや見解を尊重する日本の社会になって欲しいです、、、窮屈な国は息苦しいです
— 石野理子 アイドルネッサンス@ishino_ir) 2017年8月4日
いわゆる“こじらせている”感じや、若さゆえの迷い、そんなものを感じさせるツイートはネット上でも反響を呼んだ。しかし、私はこれを見て、何か「ふに落ちた」ような感覚になったものだ。
そうか、彼女の歌声の根底には、このような感情があったのか。
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