中国人観光客の”おそろいTシャツ”にベトナム人税関職員が激怒! その理由とは……
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最近、世界的ブランドが中国政府の抗議によって謝罪に追い込まれるケースが増えている。アメリカのファッションブランド・GAPは5月、同社が販売するTシャツにプリントされた中国地図の中に、同国が領有権を主張する台湾や南シナ海が描かれていなかったと中国側から圧力を受け、公式に謝罪するという騒動があった。現在、このTシャツは販売を停止している。ほかにも、メルセデス・ベンツや米ホテルチェーン・マリオットなどもチベット問題で中国政府の見解と異なる扱いをしたとして抗議され、ともに謝罪・撤回に追い込まれている。
一方で、彼らは海外で挑戦的な行動を繰り返している。「網易新聞」(5月15日付)によると、西安市からベトナム観光にやって来た中国人観光客14人が、カムラン国際空港で入国手続きを行っている際に、トラブルが発生したという。税関職員が、彼らがおそろいで着ていたTシャツに「九段線」が描かれていることに気がついたのである。
九段線とは、中国政府が南シナ海の領有権を主張する海域の地図上に、一方的に描いた破線のことで、同国は以前から南シナ海のほぼ全域を自国の領海であると主張している。当然ながら、周辺国のフィリピン、ベトナム、マレーシアなどはこれに反論してきたわけだが、中国は主張をまったく変えないばかりか、自国のパスポートに九段線入りの地図を載せるなど、やりたい放題だ。
前出・ベトナムの空港警察は14人の中国人観光客に対し、Tシャツを着替えるよう命じ、事情聴取を行った。観光客たちは、「みんなで一緒に中国で買った。Tシャツを着ているだけで捕まるなんて理解できない」と話しているが、今後は地元警察が詳しい捜査を行うという。
ベトナムでは今月6日にも、ニャチャン市内のレストランを利用した中国人観光客18人が、店側と支払いをめぐりトラブルになる事件が発生。店員に暴行を働いたとし、地元警察が彼らを逮捕している。東南アジア諸国では、中国政府や中国人観光客のこうした傍若無人な振る舞いによって、急激に反中感情が高まり、各地でデモが起こるなどしている。
中国は日本の尖閣諸島に関しても、以前から領有権を主張しており、われわれ日本人にとっても、こうしたトラブルは決して対岸の火事ではないのである。
(文=青山大樹)
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