“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士&妻と“元リアル極妻”瓜田母は、映画『孤狼の血』をどう見たのか?
#インタビュー #瓜田純士
“キング・オブ・アウトロー”こと作家の瓜田純士(38)が、森羅万象を批評する不定期連載。今回のテーマは、瓜田が「原作は未読だけど公開初日に見たい!」と熱望した東映映画『孤狼の血』(原作:柚月裕子、監督:白石和彌)だ。“警察小説×仁義なき戦い”と評される同名原作を映画化した本作。果たして、極道上がりで深作ファンでもある瓜田の御眼鏡にかなうのか?
かつては“リアル極妻”だった瓜田の母と、エログロバイオレンスが苦手な瓜田の妻も劇場に招き、三者の感想を聞いてみた。
『孤狼の血』の公式サイトによると、「昭和63年。暴力団対策法成立直前の広島の架空都市・呉原を舞台に、刑事、やくざ、そして女が、それぞれの正義と矜持を胸に、生き残りを賭けて戦う生き様を描いた映画」とある。
公開初日の土曜日ということもあってか、場内はほぼ満員。客層は20~40代風のおとなしそうな人が中心で、男女比は半々といったところか。若い単独女性や、高齢の単独男性の姿もちらほら。コワモテの客は、瓜田1人だけのように見えた。
以下は、映画終了後に近所のとんかつ屋で行ったインタビューである。
* * *
――いかがでしたでしょう?
瓜田純士(以下、純士) いやぁ、めちゃくちゃ良かったです。感動しました。
母・恭子(以下、恭子) 最初から最後まで、最高だったよね!
妻・麗子(以下、麗子) 『アウトレイジ 最終章』の2億倍良かったわ~(参照記事はこちら)。
――おやおや、奥様まで。みなさん、何がどう良かったのでしょう?
純士 まず、みんなのケジメのつけ方が、きっちりと描かれてたのが良かったです。東映の本気と、それに応えてやろうという役者陣の本気を見たという感じですね。あの時代(昭和63年当時)の広島って、本当にああいうマル暴がいただろうし、やくざも本当にあんな感じだったと思うんですよ。で、今この時代にこういう映画をやるとなったときの、引き受けた役者たちの「一癖も二癖もある感じに悪く演じてやろう」という本気度に圧倒されました。きっとみんな役者をやってる以上、東映の任侠映画を見て育ってきただろうし、ファンだったと思うんですよ。だからこそ、下手な芝居はできないところですが、そこをきっちりやり切ったのがすごいな、と。
恭子 私は岩に波がザバ~ンとぶつかって「東映」ってマークが出てきたところから、「うわ、昔のまんまだ!」って感じで一気に引き込まれちゃったわ。でも出てる役者は今の役者だから、懐かしくも新鮮な面白さがあったわね。
純士 終盤の太鼓の迫力と、その音に合わせたケジメの付け方も、さすが東映といった感じ。盛り上げ方を知ってるな、と。
麗子 役者もみんな光ってたな。
純士 うん。主役の刑事から脇役のチンピラに至るまで、キャスティングがピカイチだった。中でも刑事を演じた役所広司と松坂桃李が、とびきり良かったね。真相を知ったときの松坂の演技なんて、もう……。
恭子 純士、泣いてるのかと思ったわ。
純士 結構、泣いちゃったよ。
麗子 ウチも何度も泣きそうになったけど、化粧が崩れるのがイヤやから必死でこらえたわ。
純士 松坂が、あるアイテムを探り当てたときの感情表現とか、めちゃくちゃ上手かったじゃない。真面目一徹の新人刑事が、だんだんディープな世界に引き込まれていく。あれが他の役者だと、例えば東出昌大とかだと嘘臭くなっちゃった可能性がある。あの松坂の絶妙な正義感が良かった。
恭子 良かったよね~。私、松坂桃李って役者としてあまり好きじゃなかったのよ。だけど今回、そのすごさを思い知らされちゃった。あんなにいい男だとは知らなかったわ。役所さんもすごかった。宝くじの宣伝してる場合じゃないわよ(笑)。
麗子 ウチは、真木よう子がたまらんかったわ。あれは、実生活で酸いも甘いも噛み分けた彼女にしかできへん役ちゃうかな。
純士 真木は、喫茶店での暗い顔、あの本当に腹を決めてる表情とかが本当に良かったし、終盤にも大きな見せ場があったよね。終始、貫禄がすごかった。
麗子 貫禄はあるけど、細くて美しいという。
恭子 あの顔と体型って、本当に私の理想なのよっ!
麗子 おっぱい、めっさデカいしな。
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