『あなたには帰る家がある』木村多江、迫真の“マウンティング”演技が怖い……「綾子事変」勃発でついに本性を現す!
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■原作と相違点が多すぎてドラマは別物に!?
これまで、原作について触れていなかったので、今回はまずそこに触れてみたいと思います。
原作は直木賞作家・山本文緒氏の1994年に刊行された同名小説。不倫がテーマというのは同じなのですが、ところどころドラマと内容が違います。佐藤家・茄子田の家族設定や真弓の仕事など(細かく上げるとキリがないのでやめておきます)違いが多くあり、ドラマはまた違った印象を持つことができて、原作ファンでもドラマを楽しむことができます。
さらに言うと、原作では真弓はパートの保険外交員として働き始めるのですが、上司や顧客からの枕営業の強要などのびっくり場面も出てきます。2013年に放送されたバラエティ番組『マツコの日本ボカシ話』(TBS系)がたった第1回放送で打ち切りになったのは、「生保レディ」をテーマに“枕営業”の話を取り上げ、スポンサーからクレームが入ったためとウワサされたTBSですから、「これはやめよう」と判断したのかもしれません。
設定変更について長々と語ってしまいましたが、原作者の山本氏はドラマについて「いち視聴者として、現代的な装いになった『あなたには帰る家がある』を心から楽しみに、毎週末、テレビの前に座りたいと思っております」とブログで語っています。みなさんもドラマ版はドラマ版として楽しみましょう。
■コミカル演出は“もうお腹いっぱい”
これまで、コミカルな演出をほめてきましたが、もそろそろお腹いっぱいと言うのが正直なところ。今回急激な平均視聴率低下は、この演出に視聴者は飽きてきたというのもあるかもしれません。
秀明の浮気が真弓にバレる第3話までは、コミカルな演出が視聴者のハラハラドキドキ感を盛り上げ、さらに不倫ドラマに多いドンヨリ感を軽減させてくれていました。しかし、それも3話までのお話。浮気がバレてしまった4話では、多少少なくなってはいましたが、この演出が逆にウザく、邪魔とさえ感じてしまいました。
浮気がバレた時点で、『昼顔』(フジテレビ系)のようなシリアスものにしていき、話の中心である佐藤家だけではなく、茄子田家の人たちにももう少し焦点を当て始めたほうが、ドラマに深みが出るのではないかと感じてしまいました。
■今回の見どころは“ガチンコ女の本音バトル”!
演出に難癖をつけましたが、今回は後半部分に出てくる綾子の真弓に対する嫌がらせ行動がとても面白かったです。
秀明に別れを告げられた後、真弓の職場に秀明の好物であるメンチカツを大量に差し入れする綾子。もう、嫌がらせ以外のなにものでもありません。その上、ずぼら主婦である真弓にライバル心があるためなのか、手作りなのに既製品ばりの仕上がり。これはもう、ストーカーレベルで怖い! さっさと被害届を出すなり、慰謝料請求するなどで対処した方がいいです。
その行為に、ふつふつと怒りを覚えた真弓は、ついに茄子田家に乗り込み直接対決するのですが、このときにも綾子は、「そもそも、あなたは夫の気持ちをわかっているの?」と言い、「バーベキューのときの料理も野菜の切り方も洗い物の仕方も全部ひどかった」「妻の務めを果たさないで要求・不満ばかり。秀明さんがかわいそう」と暴言を吐き、マウンティングするのです。
もう、見ているだけでも腹が立つ。嵐・二宮和也との交際が報道された伊藤綾子の二宮ファンに対する“匂わせ行為”に匹敵するほどの暴挙です(笑)。これも「綾子事変」と言って間違いはないでしょう。
そして、その暴言に対し、真弓はひるむどころか、馬鹿にしたように「はぁ?」と言い返し、「夫は私を選んだ。だからもう家族に近づくな!」と綾子に浴びせるように反論。まるで、今流行のフリースタイルダンジョンのよう。こんなに気持ちのいいシーンは近年の不倫ドラマにはなかったような……。これにも新鮮さを感じ、「綾子事変」と同様にとても面白かった。むしろ、今回はこのシーンだけで十分だったかも!? こういうシーンが今後も続くことを切に祈っています。
以上、第4話のレビューでした。
次回の第5話はついに茄子田が綾子と秀明の関係に気付くよう。怒りがこみ上げてきた太郎は『茄子田WARS~太郎の復讐~』を仕掛けるために、偶然を装って佐藤家の旅行先に現れるとのこと。どのようにして、佐藤家がダークサイドに落ちていくのでしょうか。放送を楽しみに待ちましょう。
(文=どらまっ子KOROちゃん)
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