『シグナル』主演・坂口健太郎、ようやく覚醒? “韓流演出”で上司にボコられ……
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大山に不必要な情報を与えてしまったために新たな事件を引き起こしてしまったのではないか。そう落ち込む健人のもとに、無線機から、「おれが間違ってました。おれのせいでメチャクチャになった」と、涙ながらに訴える大山の声が届いたところで今回は終了となりました。
さて感想。このドラマは、2016年に韓国で放送されヒットした作品のリメイクものですが、韓流ドラマにありがちな暴力演出が随所に散りばめられている印象です。今回も、誘拐事件の捜査会議中、刑事部長の中本慎之助(渡部篤郎)に反抗的な態度を見せた健人を制止するため、美咲が何度も小突くシーンがありました。
さらに、それでも健人が引かなかったため、業を煮やした岩田が顔面にフルスイングのパンチ。いくらなんでもやりすぎでしょ、と思ったのですが、その一方で、いつになく情熱的な健人の姿は見応えがありました。
連続ドラマ初主演という気負いがあったからか、あるいはそういう演出だったのか定かではありませんが、これまで坂口の演技は、怒っていても顔は無表情。どこかアンドロイド感が漂っていたんですね。
けれど今回は、岩田に殴られた後、「警察に品位なんてなかったんだ!」と食ってかかったり、大山への助言のせいで捜査状況が変わってしまったことを嘆くなど、人間味あふれる演技を見せていました。
大山と無線交信する際のムダにタメをつくる演技に関しては、相変わらず見ていてイライラさせられますが、主役として徐々に覚醒してきたような印象を受けます。
また、ストーリーについても、以前は大山がいつの時代から交信しているのかわかりづらかったのですが、今回はかなり整理されていました。連続窃盗事件を本筋に置きつつ、大山の失踪事件、新人時代に大山に対して想いを寄せていた美咲の回想、自殺してしまった兄との健人の幼少期の思い出など、いくつものサブストーリーが無理なく挿入されていて、物語に立体感が出てきました。
大山が工藤を逮捕するに至った経緯や、誘拐事件の裏に隠された謎も興味深く、次週の放送が楽しみ。サスペンス部分がしっかり描けていれば、視聴率のV字回復も期待できるのではないでしょうか。
(文=大羽鴨乃)
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