イニエスタ“32億円移籍”実現濃厚も「神戸の選手ではプレーを感知できない」可能性が……
#サッカー #Jリーグ #ヴィッセル神戸
サッカーのスペイン代表で同国1部リーグ、FCバルセロナから今季限りで退団することを発表したMFアンドレス・イニエスタが、J1ヴィッセル神戸入りする可能性が報じられている。
報道によると、その契約内容はなんと3年契約で年俸2,500万ユーロ(約32億5,000万円)。バルセロナはインターネット通販大手で神戸を運営する楽天とスポンサー契約を結んでいるが、契約交渉には同社の三木谷浩史会長兼社長が関わったという。
イニエスタといえば、バルセロナの中心選手として、欧州チャンピオンズリーグで4度の優勝のほか、リーグ優勝など数々のタイトル獲得に貢献した現代サッカー界最高峰の名手。スペイン代表としても、2010年の南アフリカW杯決勝戦では、母国の初優勝を決める決勝ゴールを挙げた。そんなトップ中のトップ選手が果たして、サッカー辺境の地である日本へやって来るものだろうか?
「当初は、中国スーパーリーグ・重慶力帆への移籍がささやかれていました。これだけの年俸を出せるのは、欧州のメガクラブ以外では中国しかありませんからね。しかし、重慶力帆がイニエスタの移籍説を否定したことから、今回の神戸への移籍報道が浮上しました。イニエスタ側から三木谷さんへ売り込みがあったとの報道もあります。確かに楽天の資本力からすれば、三木谷さんの“ツルの一声”で32億円もの年俸を捻出することは容易でしょう。しかし、今季の神戸のチーム総年俸額は17億2,290万円。その倍近くの金額をイニエスタ1人にかけるのは、いくらなんでもバランスを失しているし、経営的にもペイできないですよ」(サッカーライター)
ちなみに神戸の総年俸額は、J1の18クラブの中で1位の数字。2~4位の川崎フロンターレ、名古屋グランパス、鹿島アントラーズが11億円台であることを見ても突出している。これは、昨年獲得した元ドイツ代表のルーカス・ポドルスキの年俸6億円が影響している。だが、今季の神戸のリーグ順位は10位(5月6日時点)と、中位に沈んでいる。この高額年俸の元ドイツ代表の加入が、成績に結びついていないのが実情だ。
「イニエスタが加入したとしても、“宝の持ち腐れ”になる可能性が大です。もちろん、彼の実力に疑いはありません。加齢による体力の衰えはあっても、依然としてパスやドリブルなど世界でも1、2を争う技術の持ち主です。しかし、同じバルサのリオネル・メッシのように、得点力に優れているわけではない。イニエスタの最大の持ち味は、超絶技巧で時間やスペースを作り出すことによってチームがボールを円滑に回し、ゲームを支配すること。ただ、それも一流選手ぞろいのバルサだからこそ生きる能力なんです。能力的にはるかに劣る神戸の選手では、イニエスタのパスやスペースメイキングを感知できない、という場面が頻発するでしょう。それにイニエスタ自身、これまでバルサ一筋で、能力の低い選手たちとのプレー経験がないため、加入したとしてもストレスをためるのでは。もっとも、あれだけの選手ですから、ポドルスキへのラストパスの供給源といった、限定的な効果は見込めるかもしれません。しかし、それだけのために32億円もかけるのは、合理的とは言えないでしょう」(同)
楽天関係者のコメントとして、「獲得濃厚」との報道もあるが、だからといってイニエスタの神戸移籍が実現すると断ずるのは早計だ。移籍時期になると、関係者らが有利に交渉を進めるために不確定な話をメディアにリークするのは、この世界の常識。実際、神戸移籍説の一方で、オーストラリアへの移籍も取り沙汰されている。
しかし、それでも日本のサッカーファンとしては、イニエスタのJ移籍に期待で胸が躍るに違いない。
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