『コンフィデンスマンJP』低視聴率でついに超高額制作費を投入? フジテレビ“破産”へまっしぐら!?
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4月30日に放送された『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)第4話「映画マニア編」。
今回のターゲットは、産地偽装に手を染める食品会社2代目社長・俵屋勤(佐野史郎)。俵屋は社員へのセクハラや恫喝は当たり前、意に沿わない社員は左遷してしまう横暴ぶり。産地偽装に反発した宮下(近藤公園)も例に漏れず、左遷されてしまう。自暴自棄になり酔いつぶれた宮下と歓楽街で出会ったダー子(長澤まさみ)は、俵屋を詐欺の標的に定める。俵屋が生粋の映画マニアであることに目を付け、ニセモノの映画を作り、多額の制作費を巻き上げようとする。
今回の見どころと言えば、俵屋を騙すために制作したアクション時代劇。大人数が炎の中で戦う合戦のシーンは迫力があった。ただ、豪勢なシーンは、視聴者にとっては喜ばしいが、制作側にとっては悩みの種となることも……。今回は、第4話の作品としての素晴らしさと、本作のビジネスとしての不安要素を綴りたいと思う。
■大味なのに繊細!? 実は哲学的な第4話
ダイナミックなシーンの多い回であったが、素晴らしかったのは小道具や小ネタなど、ディテールの部分。映画雑誌の表紙写真が船越英一郎だったり、バーにある壁の穴を「勇作と力也さんがやった(殴った)」と嘘ついたり、伊吹吾郎が本人役で出てきたりと、俵屋を騙すためのギミックが小ネタ万歳で楽しめた。個人的には、映画『モテキ』(2011年、監督:大根仁)のときに長澤まさみが使った「ドロンします」という台詞があったことに好感を覚えた。
とはいえ、ただの小ネタばかりのドタバタ喜劇の回ではない。「あるある」な共感と人間の本質に触れた見応えのある1時間だった。
まず、映画に詳しくない者を見下す俵屋のよう人間を「シネマハラスメント」という造語で称したのは見事。日本代表を応援してないだけで「非国民だ」と罵るサッカーハラスメント、『ワンピース』を読んでいないだけで「人生を損してる」と言うワンピースハラスメント。ハラスメント野郎が現代社会に跋扈しているためか、映画マニアの俵屋が不幸になる様は痛快だった。
また、ダー子がマリリン・モンローを色仕掛けの参考にしようとする場面も、ギャグのように見えて本質を突いている。頭脳明晰ゆえに色恋すら学習しようとするダー子演じる長澤まさみほどの美女が“ハニートラップは苦手”という設定に合点がいった。映画の知識が豊富なのに、その道のプロになれなかった俵屋と相まって、崇拝や憧れが願いの成就から遠ざけると教えてくれる。漫画家を志していたが、脚本家となった古沢良太の人生哲学が滲み出たのかもしれない。
大味なコメディでありながら、キャラクターの整合性や小ネタにまで気を回す繊細さを併せ持つ。第4話はハイブローでありながらハイレベルだったと言える。
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