フジテレビ『モンテ・クリスト伯』原作に忠実かつエグい展開……“どろどろの復讐劇”が本格化
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■復讐相手勢揃いのパーティ
真海は鎌倉に購入したとある別荘でのパーティに復讐相手たちを招待する。
やってきたのは神楽夫妻、南条幸男、入間夫妻の5人。それぞれ男たちは旧知なのに初対面ヅラで挨拶させ、それを眺める真海の圧倒的優位ぶり。
南条の妻であるすみれは江田がわざと仕事のミスをさせたため欠席なのだが、ここにすみれを来させなかったのは真海が未だすみれを想っている気持ちのあらわれだと感じる。
この時、真海の秘書・土屋慈(三浦誠己)が、キッチンで真海にある告白をする。昔、窃盗目的で侵入したこの別荘で、入間公平と神楽の妻・留美が庭のマリア像の下に生きたまま赤子を埋めていたという事実。公平と留美はかつて出来ており、その関係を隠すため不義の子を消そうとしたようだ。
もちろん、土屋の過去を含め全ての事実を知って真海は動いているはずだ。留美や公平の前で、マリア像の下から「小型犬の骨」が出てきたとあえて言ってみたり、新鮮なカツオをさばき、血を見せることで2人(特に留美)を精神的に追い込む真海。
留美の病んだ心は子どもを殺した怯えからくるものなのだろう。しかし、まさかこんなところでディーンの包丁さばきの腕が活かされるとは、前回の語学力披露といい、おディーン様ファンには、余すところなくたまらないドラマだ。
問題は、なぜ江田が真海に協力しているのかだが、江田は南条に「杀人犯(人殺し)」と書いたファックスを送っており、かつて南条が出世のきっかけをつかんだ香港時代に何かあったのだろう。終盤、江田は真海を想っているが、真海は江田を復讐の道具としか見ていない様子も見られ、次回ますます以降重要なポジションになっていきそうだ。
■復讐を楽しんでいる真海
真海は復讐相手を前に思わせぶりな言葉を連発、その思わせぶり具合のドラマの見どころの一つだ。
・真海が有名な投資家だとのネット記事を見た南条に「ネットに書かれてることの半分以上は嘘ですよ」と微笑む。もちろん自分の存在自体がフェイクであることを踏まえての発言。
・どうして日本へきたのかと南条に問われ「長年の夢を叶えるために」、その夢をすみれに問われ「それは叶ってからのお楽しみです」。もちろんそれは復讐を意味する。
・公平が取り調べのような口調になっているのを瑛理奈に咎められると「プロの取り調べに興味がありますので」と、かつて取り調べで公平に証拠を捏造され投獄された過去を念頭に発言。
真海は江田にこの復讐について「殺すなんて簡単すぎる」「本当の不幸ってなんだか知ってるか?」「壊すんだよ、大切なもの全てを」と持論を語っており、真綿で首を絞めるように少しずつ恐怖を与え、「大切なもの」を奪い、「死」以上の不幸に落とし込もうと楽しんでいるのがわかる。
ここまで見てわかるのは、思ってる以上に細かく原作を意図を持って「翻訳」し、脚本化しているということ。脚本の黒岩勉は相当『岩窟王』が好きなのか、それともただ腕が見事なだけなのか。どちらにしても丁寧に作られているのは間違いない。明治時代に原作を初めて日本語訳した黒岩涙香と同じ性なのも面白い。
果たして最後まで原作通りなのか? 特にすみれや江田との関係に注目しつつ、次週を待ちましょう。
(文=どらまっ子HARUちゃん)
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