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週刊誌スクープ大賞

眞子さまの反乱と、小室圭さん「父自殺」報道の意義……週刊文春は“一線”を超えたか

 さて、4月26日のフジテレビの『とくダネ!』を見ていて、まだこんなことをやっているのかとあ然とした。

「TOKIOの山口達也メンバーを警視庁が強制わいせつ容疑で書類送検した」というニュースの「山口達也メンバー」といういい方だ。

 テレ朝の『モーニングショー』でも同じいい方をしていた。驚いたことに朝日新聞も同様である。

 覚えておいでの方もいるだろう。2001年8月、SMAPの稲垣吾郎が公務執行妨害と道路交通法違反の現行犯で逮捕されたことがあった。

 だがテレビ局は、ジャニーズ事務所側の強い「要請」により、稲垣容疑者ではなく稲垣メンバーなる不可解極まりない呼び方をしたのである。

 私の友人の芸能レポーター・梨元勝(故人)は、当時出ていたテレビ朝日の番組で、稲垣のことはしゃべらないでくれといわれ、激怒して出演拒否をし、その後、テレビから疎まれ、活躍の場をネットへと移すことになった。

 当時はまだジャニーズ事務所の力が強かったが、もはや事務所の威光も下り坂なのに、何でこんなことをまだやっているのか。

 それに、報道の内容も不可解だ。「山口達也(46)が自宅マンションで女子高生に無理やりキスをするなどしたとして」(スポニチ)、警視庁が強制わいせつ容疑で書類送検したという。

 女子高生は友人と2人で山口の部屋を訪れ、被害に遭った女子高生は、逃げて母親に電話をし、母親が来て助け出したそうだ。

 山口と女子高生はNHKの『Rの法則』で知り合ったという。山口に誘われ家に行ったのだろうが、今の女子高生がキスをされたぐらいで逃げ回るとは思えないし、今の時代、「キス」が強制わいせつだとは、警察だって考えないはずだ。

 コトは稲垣の時よりも重大で悪質、それに山口は50近い中年男である。被害者とは示談が成立したそうだが、警視庁捜査1課は書類送検したのだから、山口容疑者ではないのか。

 スポーツ紙などは、事務所側の意向を忖度して、起訴猶予処分になるのではないかと予想し、有名タレントの軽はずみな行動ぐらいで収めようという意図が見え見えだが、その程度で済ませてはいけないこと、いうまでもない。

 その山口達也が、27日に涙の記者会見を行った。

 だが、芸能記者たちは、ジャニーズ事務所へ忖度して、強制わいせつの実態について突っ込むことはなかった。

 始まる前に山口の弁護士が、被害に遭った女子高生の両親からの手紙を読み上げた。その中に「今回娘が被ったことは親としては決して許せるものではありません」という文言があった。キスぐらいでこういう書き方はしない。それなのに、記者たちは故意にそれを無視したのだ。

 週刊誌が合併号に入る時期に、こうした不祥事の会見をやるのは芸能事務所の常とう手段である。新潮、文春なら、「山口達也が女子大生にやった強制わいせつの実態」と銘打ってやるのだろうが、あいにく、次の発売は5月9日である。

 フライデーがこの問題をやっていた。急遽突っ込んだのだろうが、残念ながら新しい情報はなかった。

 昨日の原稿で、「山口メンバー」といういい方はおかしいと書いたが、27日のフジテレビの『とくダネ!』で小倉智昭が、このことに触れ、読売新聞だけが山口容疑者と書いたと紹介し、隣のコメンテーターが、容疑者と書いてもいいと思いますがと重ねた。

 しかし、小倉のなぜメンバーにするのかの説明は、何をいっているのかよくわからないままだった。

 推測するに、視聴者から相当な数の批判の電話やメールが来たのであろう。

 山口も、事件の内容については、警察が捜査中なので答えられないと、財務省の佐川のような答弁をしていた。

 涙を流し、謝罪すれば、そのうちTOKIOのメンバーに復帰できるという甘い考えをしているとすれば、世の中そんな甘くないということを嫌というほど知ることになると思うのだが。

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