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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『孤独のグルメ』原作者の出演ナシ?

『孤独のグルメ』原作者・久住昌之が出演しなくなる? 第3話はメキシカン感めっきめき!

■チョコレートを使った鶏料理は選ばれず

 

 ここで「鶏肉のピピアンベルデ」を追加注文。もう一つのメインの名物「鶏肉のモレポブラーノ」はソースにチョコレートを使っていることから「俺をどこへ連れて行こうっていうんだ」と悩みつつも選ばれなかったが、どんな味なのかとても気になる。ドラマと違って口に合わないものは遠慮なくがっかりする原作コミックスだったら、どんな顔をするのか。だが、実は甘党の五郎の口に合いそうだ。

 冷めてなお美味いというズッキーニのプディンの残りを平らげ、「死せる孔明、生ける仲達を走らす!」と、なぜか中米から三国志を引用する五郎。

 五郎の食事の感想は全て原作者・久住昌之の手直しが入ってるので、間違いなく久住の趣味。同氏原作の「蜀の軍師」(=諸葛亮孔明ら)をパロった『食の軍師』(日本文芸社)という食の戦略漫画もオススメです。

 鶏肉のピピアンベルデが到着。カボチャの種とグリーントマトを使ったソースで食べる鶏肉料理。

「食べたことない味だ、脳がこの味をどの棚に入れていいのか困ってる。困るけど……美味しい」

 初めて出会った味覚は舌が美味いと思っても、まだ脳の理解が追いつかない感じがあるが、まさにそうなのだろう。

 しかし次第に脳も活性化し、「俺の脳もソースの美味さにようやく追いついてきた」。

 周りの店内はテキーラを飲んだり、おしゃべりしたり、わいわい楽しんでるのに、そのセンターで一人黙ってカチャカチャと鶏肉の骨をだけを外し、最終決戦の準備を進める五郎。ここで今季からの戦闘用BGM「アイリッシュ・スプーン」のイントロがけたたましく鳴り響く。アイリッシュトラッドとメタルが混ざったような曲に乗せて、一気に流し込んだ。

 ハバネロソースをかけたピピアンベルデを「異文化の伝統と新しさが陽気に踊りまわってるような味だ」と評していたが、そんな曲だ。勢い余った五郎がメキシコ語で叫ぶ(心の中で)。

「アミーゴ アミーバ ウノ ドス トレス メヒコ バンザーイ!(=男女の友達、1、2、3、メキシコ万歳! ※筆者の直訳)」

 

■久住があのコーナーを辞めたがってる?

 

 そして久住が実際に店舗を訪れる「ふらっとQUSUMI」のコーナー。

 実は前回の放送の少し前に、久住は自身のTwitterでこのコーナーの出演を迷っている旨の書き込みをしていた。揶揄するのだけが目的のアカウントからの心無い書き込みがきっかけなのだが、その直後「最後のコーナーいらないような気がずっとしてる」「ボクの仕事は原作と音楽と五郎台詞直しだけで十分」「いい歳して出たがりみたいで、いつも居心地が悪かったんだ」と本音を吐露した。

 しかし、以前も書いたが、このコーナーをむしろメインに考えている視聴者もいるくらいで、「やめないでほしい」という書き込みが殺到、久住は反響に驚きながらも「よく考えてみます」と結論を保留している。

 もともとメインストリームで目立って何かをすることに抵抗がある人だと思うので、特に近年のブーム気味のヒットで、出演するたびに一部でやんや言われたり、あげつらって見られることに疲弊していたのかもしれない。

 しかし今回も久住はメキシコビール(ライム添え)を「ライムジュースかな?」と、恒例の酒じゃない物に例えて飲む特技を披露し、サボテンのサラダやタコスを流し込んだ。

 筆者の久住のイメージは、いまだ、『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)の「東京トワイライトゾーン」というコーナーで、タモリやカメラマンの滝本淳助(みうらじゅんのバンド「大島渚」のドラマー)と一緒に、街角の気になる建造物(2階にドアがあるが階段がないとかどうしようもないやつ)などを見て、くだらない妄想を繰り広げる貧相な人というイメージ(失礼)で、今の成功者のような扱いに馴染めないのだが、おそらく当人が一番馴染めていないのかもしれない。

 ドラマとは違った雰囲気のあのコーナー、ドラマパートとセットで見て補完し合うものだと思うので、ぜひマイペースに続けていただきたい。
(文=柿田太郎)

最終更新:2018/04/27 22:30
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